
大使館新庁舎建設において、次の3点が特筆されます。
1. 日仏共同で実現
フランス大使館新庁舎は、パリ空港公団建築事務所のフランス人建築家ピエール=ミシェル・デルプシュ氏とドミニック・シャヴァンヌ氏をリードアーキテクトとして竹中工務店と共同で設計し、日本の竹中工務店が日本とフランスの建材(ハイテクガラス等)を多数使用して建設しました。
その結果、鳥を思わせる折れ曲がったカーブを基調とする環境調和型の優れた建物が完成しました。新庁舎のメインファサードは、フランス大使館庭園に向けて開かれた窓のようです。
2. 環境に極めて優しい建物
フランス大使館の庭園は徳川幕府時代の遺産であり、フランスは歴史遺産を極めて重視する立場から、その一体性と主な特徴の保存を望んでいます。この美しい庭園にダメージを与えないことが、極めて早い段階から庁舎の建て替えの前提条件の一つになりました。折れ曲がったフォルムと伸びたカーブで構成された新庁舎は、自然の中に溶け込んでいる印象を与えるばかりではなく、庭園の貴重性をいっそう引き立たせています。

庭園の保護のほかにも、新しい大使館は環境に極めて優しい建物です。新庁舎は高性能の断熱システム ― 特にLow-Eガラス(アルゴンガスを封入した複層ガラス、フランスのサンゴバン社製)に加えて、雨水を回収できる緑化屋根(水使用量の20%が雨水回収による)を備えています。設備全体がエネルギー消費の管理制御システムを装備し、照明システムはすべて省エネ型です。自然換気システムによって、空調エネルギー消費量を四季を通じて最適化することができます。建物にはリサイクル建材もしくはリサイクル可能な建材が多数使われています。
これらの特長によって、大使館新庁舎は日本の評価レベルCASBEE(建築環境総合性能評価システム)で、環境性能効率4.1と評価され、最高ランク「S」の格付けを取得しました。日本でこれほど高い評価を受けた公共事務所建築物は他にありません。
3. 革新的な資金計画
新しい大使館の建設のために採用された資金計画は、民間部門との革新的なパートナーシップ方式によるものです。
三井物産株式会社、野村不動産株式会社、株式会社竹中工務店、ADPI(パリ空港公団の子会社)、株式会社久米設計で構成されたコンソーシアムは大使館の新庁舎を設計、建築、整備するほか、15年間のアフターメンテナンスを担います。この事業の一環として、コンソーシアムは大使公邸の全面リフォーム・改装に加えて、フランスが日本国内に所有する不動産の設備改修工事も行いました。その対価としてフランスは土地全体の所有権を保持しながら、1991年公布の借地借家法に基づいて、この事業のために結成されたSPCに、大使館の土地の一部(総面積の5分の1弱に当たる約4,500㎡)を定期借地(54年間)する契約を結びました。同敷地において野村不動産と三井物産は定期借地権付き高級分譲マンションを建設して販売します。
フランスはこの革新的なパートナーシップ方式のおかげで、今回の新庁舎建設事業を改装改修工事も含めて、一切公費を負担せずに実現することができました。
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報道発表資料
Service d’Information et de Communication (2009年12月28日)