ダーイシュとは何者か? [fr]

 ダーイシュ(「イスラム国」)は今日、シリアとイラクを拠点とするテロ組織で、恐怖のシステムをレバントを越えて(リビア、エジプト、アフガニスタンなど)広めようとしています。アル・カーイダのイラク支部から派生したダーイシュは2006年からすでにイラクで拡大し、2011年以来のシリア政権の断続的な弾圧によって引き起こされた混乱に乗じて、シリアに勢力範囲を広げました。

 構成員の大半はイラクおよびシリアの国籍保有者ですが、北アフリカ、ヨーロッパ、中東、南アジア、コーカサス出身の戦闘員も多数います。

ダーイシュの意味は?

 ダーイシュ(Daech)は「イラクとレバントのイスラム国」のアラビア語の頭文字です。しかしこのテロ集団は国家ではありません。国際社会の承認の欠如がそれを証明しています。ダーイシュの残虐なテロ行為は、彼らが標榜する宗教を逸脱しています。アフリカ、中東、ヨーロッパで認められた宗教的高位者やイスラム世界から繰り返し発せられる非難が、それを改めて示しています。

彼らの行動は?

 ダーイシュは力ずくで奪った支配地域で、過激な暴力の行使によって権力を振るっています。この組織は、特に石油や古美術品の密輸をはじめとするさまざまな不正取引や、支配地住民の財産強奪によって生き延びています。人身売買からも収益を得ています。少数民族に属する女性や少女を-特に性的な目的で-奴隷にしています。ダーイシュは少年を徴集して少年兵にしています。

 このテロ集団は入念に練られたプロパガンダを用いて、イラクとシリアの一部部族の支持を前面に打ち出しています。しかし実際には、ダーイシュは彼らの見解を住民に押しつけているにすぎません。住民は過激主義者ではありませんが、信頼できる代替勢力がないので支配地域にとどまっています。シリアではとりわけ穏健な反体制派が掌握する地域への政権側の大量爆撃を恐れて、イラクでは宗派間で繰り返し緊張が高まる中で報復を恐れて、それぞれ踏みとどまらざるを得ないのです。

 現実には、最も多くの犠牲者はイスラム教徒自身(シーア派とスンニ派)で、ダーイシュは彼らに対して女性も子どもも容赦しない恐怖政治を敷いています。民族的および宗教的少数派が徹底的な迫害の対象となっています。

 その上、ダーイシュはパルミラ、ニムルド、ハトラの古代都市遺跡で犯罪行為を犯したり、モスル美術館を破壊したりするなど、人類の世界遺産を故意に破壊しています。

彼らの目的は?

 ダーイシュの主張では、シリアとイラクは宗教の原理主義的解釈に基づいた「カリフ制国家」の出発点にすぎず、イスラム世界全体に、さらにそれを越えて広げるとしています。シリアやイラク以外のジハーディスト集団(リビア、エジプト、アルジェリア、イエメン、ナイジェリア、コーカサス、アフガニスタン、パキスタンなど)に忠誠を求め、これらの集団の一部を「カリフ制国家の州」として紹介する戦略もそこから来ています。しかし事実がこの主張を覆します。ダーイシュはシリアとイラクで抑え込まれ、さらに後退している一方、外国の「州」も大半のケースでは実際の領土支配ははなく、普通のテロ集団に属しています。

 ダーイシュは彼らの暴虐さや脅威を演出した広報戦略や、テロ計画(組織が直接出資したテロ、もしくはダーイシュとのつながりを主張する過激化した個人が自発的に犯行に及んだテロ)によって、世界中に恐怖をまき散らそうとしています。

ダーイシュの脅威とは?

 ダーイシュは3つの脅威を与えています。

1. イラクとシリアの一般住民に対する脅威

  • ダーイシュがシリアとイラクで、特に同地域に数世紀前から存在する宗教的および民族的共同体に属する住民に対して行う犯罪の重大さや規模による脅威。国連の一連の報告書で強調されたように、これらの行為は非情の限界に達し、世界中から糾弾と厳しい非難を呼び起こしています。これらは人道に対する罪、戦争犯罪、さらに集団殺害罪に相当する可能性があり、国際刑事裁判所がこれらの犯罪について管轄権を有します。

2. 地域諸国およびそれ以外の地域に対する脅威

  • その他のテロ集団の支持獲得(一部はすでにダーイシュに忠誠を宣誓)と、シリアとイラク以外に新しい州(ウィラーヤ)の創設をめざす政策
  • 地域で犯した数多くのテロ
  • 既存の国境と国家機構の無視

3. フランスおよび同盟諸国に対する脅威

  • レバント以外で組織され、実行されたテロ(2015年11月13日にパリとサン=ドニで発生した同時多発テロはダーイシュが犯行声明を出した)
  • 外国のテロ集団や過激化した個人に向けたプロパガンダで、その他の多くのテロの実行を扇動
  • 外国人テロ戦闘員勧誘政策
  • フランスや在外フランス人に脅威を与えるアピール

2015年12月更新

最終更新日 08/01/2016

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