パスティス

Le pastis

パスティスは南仏で欠かせない食前酒。水で割って氷を入れるのが定番
パスティスは南仏で欠かせない食前酒。水で割って氷を入れるのが定番
Corbis.com
フランスの年間パスティス消費量は1億3,000万リットル、国民1人当たり2リットル強
フランスの年間パスティス消費量は1億3,000万リットル、国民1人当たり2リットル強
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 太陽と香草が溶け合って、最も有名な南仏プロヴァンスの食前酒、パスティスが生まれます。アニスとリコリス(甘草)をベースに作られる蒸留酒で、作り手ごとに堅く守られた秘伝の製法が口の中でさまざまな香りとなって現れます。

 アルコールに浸漬した香草(伝統的にスターアニスとリコリス)の天然エキスを主成分としたパスティスは、連綿と続くアニス酒の系譜を受け継いでいます。数世紀前から香草を商売としてきた南仏に今も息づく伝統の一つです。

 パスティスは一種類ではなく、多種多彩です。古典的なパスティス、パスティス・ド・マルセイユ、「伝説」のパスティス、手作りのパスティスなど、いずれの銘柄もハーブの「カクテル」と呼ぶにふさわしい独自のレシピを練り上げ、中にはスパイスを加えたものもあります。複雑で豊かな香りの調合は、門外不出の秘密です。

 アニス、フェンネル、タイム、ローズマリーにパスティスが加われば、食前の一時が南仏の香りでいっぱいになります。この豊かな香りを存分に楽しむには、パスティスをよく冷えた澄んだ水に直接注ぎ、必要なら最後に氷を足します。

 常に少しずつゆっくりと味わいながらも、時には風味や色に変化をつけるため、少量のシロップを加えるのも一興です。ミントシロップを加える「ペロケ(オウム)」、アーモンドシロップを加える「モレスク」、グレナデンシロップを加える「トマト」などが代表例です。

 パスティスは他の多くの蒸留酒と同じように料理にも使われます。甲殻類をフランベ(火をつけてアルコール分を飛ばし、香りをつける)したり、肉をマリネしたり、料理のソースやサラダドレッシングの香りづけに加えられたりします。おいしい南仏料理に添えられたパスティスの清涼感がたまりません。

最終更新日 15/10/2015

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