第2回「後藤喜代子・ポールブルダリ科学賞」授賞式 [fr]

 ポール・ブルダリ氏は2014年5月21日、東京・南麻布のフランス大使公邸で、自身の財団の第2回科学賞を日本人研究者2人に贈呈しました。

日本人の亡妻を追悼するために創設された「後藤喜代子・ポールブルダリがん基金協会」

 アレバ社に長く在籍したフランス人エンジニアのポール・ブルダリ氏は、2007年3月に肺がんのため66歳で亡くなった妻の後藤喜代子への追悼を兼ねて、2012年4月に自身の財団を設立しました。設立目的はがん撲滅への寄与であり、特に「がん(とりわけ肺がん)撲滅に寄与する基礎医学及び臨床医学に関する優秀な学術論文を著した日本人研究者を顕彰する」ことです。

 ポール・ブルダリ氏は5億円(約380万ユーロ)を投じて同財団を設立。毎年総額500万円(約38000ユーロ)が、選出された日本人研究者に贈られます。東京大学大学院医学系研究科・呼吸器外科の中島淳教授が、日仏7名の研究者で構成される選考諮問委員会の委員長を務めます。フランス人委員には、フランス・タバコ中毒予防局長を務める、パリ大学医学部付属ピティエ=サルペトリエール病院・呼吸器内科のベルトラン・ドゼンベルグ教授も含まれています。

2人の日本人研究者へ第2回科学賞を贈呈

 同財団の第1回科学賞は昨年5月22日、フランス大使公邸で贈呈されました。その1年後の2014年5月21日、同公邸で第2回目の科学賞授賞式が行われ、研究者、医師、公的機関、企業などから、50数名の招待客が集いました。ジャーナリストも数名出席しました。
 2014年後藤ブルダリ科学賞は、宮城県立がんセンター医療部長の前門戸任氏、近畿大学医学部教授の光冨徹哉氏が受賞しました。各々の研究論文の「分子標的治療の希望」という意義に対して同賞が贈られました。

JPEG - 183.5 kb
受賞者、マセ大使、ブルダリ氏(右から3人目)

 前門戸任氏と光冨氏は、それぞれ独自に非小細胞肺がんの症例に対して、ゲフィチニブ(上皮成長因子受容体-チロシンキナーゼ阻害剤)の臨床的有効性を確認するために、多施設において臨床研究を実践しました。その結果、非小細胞肺がんの中で上皮成長因子受容体に遺伝子変異を認めた症例には、ゲフィチニブは、シスプラチンとドセタキセルを含む従来の全身化学療法剤で治療した場合よりも、長い無増悪生存期間をもたらすことがわかりました。この発見は、この遺伝子変異のある進行性の非小細胞肺がんに対する治療戦略にパラダイムシフトを生じさせたと言えます。

JPEG - 12.2 kb
前門戸任氏
JPEG - 13.3 kb
光冨徹哉氏

 この2人の研究者は今後のがん対策に多大な希望をもたらすことに貢献しました。これは、同財団が奨励する研究の規範といえるものです。

最終更新日 23/02/2016

このページのトップへ戻る