アングレーム・バンド・デシネ・フェスティバル [fr]

 バンド・デシネ・フェスティバルが1月30日から2月2日まで、フランス西部のアングレームで開催されます。今年は第1次世界大戦、政治風刺、女性に対する暴力など社会的重要テーマを大きく取り上げます。

JPEG アングレーム・バンド・デシネ・フェスティバルは1974年1月25日に創設され、この分野でヨーロッパのリーダー格になりました。主催者は第9の芸術と呼ばれるバンド・デシネ(BD、フランス語圏の漫画)の作家を芸術的に認知することを常に前面に押し出してきました。これに促されてイタリア、スペイン、ベルギーなどの外国からも作家が参加しています。日刊紙『リベラシオン』の風刺画で有名なヴィレムが会長を務める今年のフェスティバルは、韓国の作品を大きく取り上げます。

 このイベントはBD(ベーデー)専門の数少ないフェスティバルの一つで、大きな関心と衝撃を呼んでいます。「特に漫画の世界で存在感の大きいアジア諸国は、我々の特性を理解しようと努めていました」とフェスティバルのフランク・ボンドゥー統括代表は語ります。

国際的に開かれたフェスティバル

 海外に目を向けるアングレーム・フェスティバルは、アメリカや日本がコミックや漫画で進めているように、とりわけBD輸出振興の目的を追求しています。今年は韓国政府のイニシアティブで『韓国、枯れない花』展が併催されます。

 バンド・デシネ批評家・記者協会(ACBD)のジル・ラティエ事務局長によると、第9の芸術は「危機の影響は避け難いとしても、危機耐性が最も高い」出版部門です。4大出版社(メディア=パルティシパシオン、グレナ、ギ・デルクール、ガリマール)が総発行部数の43.7%を占めています。『アステリックスとピクト族』(248万部)や『ブレイクとモルティメール』(44万5,000部)を筆頭に、合計117タイトルが5万部を超えました。アステリックス・シリーズは現在107言語・方言に翻訳されています。

社会問題を大きく取り上げたプログラム

 主催者側は今回、社会問題を重視することを望みました。そのため今年のフェスティバルは、大人を対象にしています。ラティエ事務局長によると、「バンド・デシネが子どもの世界にすぎなかった時代は過去のものです。今では世界を語り、メッセージを伝えることに意義があります」

 来場者数は20万人が見込まれます。41回目を迎えるフェスティバルで注目の『タルディと大戦』展は、今日的なイベントでもあります。というのも、第1次世界大戦開戦100年の記念行事の冒頭を飾ると同時に、現代BD作家の巨匠の1人をたたえる展覧会だからです。南アメリカの有名作家キノと主人公のマファルダも特集されます。この少女はアルゼンチンの軍事独裁政権時代に生み出され、大人の社会や世界に子どもの視線を投げかけます。

 ほかの社会的テーマとして、女性に対する暴力と男女の不平等があります。今でも残念ながら今日的問題ですが、デ・ロン・ダン・ロー出版社はこれらのテーマを扱う作品の選集シリーズを刊行しています。ロンバール出版社の『エルネストとレベッカ』シリーズは、病気をテーマにしています。これらの作品は教育的な観点から若い読者層を対象としています。

遊び心いっぱいのBDも健在

 今年は社会的テーマを重視するとはいえ、フェスティバルの主催者は遊び心があふれるバンド・デシネも忘れてはいません。フランスで最も歴史のあるディズニー雑誌『ジュルナル・ド・ミッキー』の創刊80周年を記念する展覧会が開催されます。『ジュルナル・ド・ミッキー』は創刊当初からフランスとヨーロッパのバンド・デシネを広める媒体でした。

 「BD部門の前途はまだ明るいというのも、作品の映画化がますます増えているからです」とジル・ラティエ事務局長は強調します。『オルセー河岸(フランス外務省)』や『アデルの生涯』をはじめ、10作を超えるバンド・デシネ原作の映画が2013年に公開されました。とはいえ、デジタル配信に代表される数多くの課題にも取り組まなければなりません。

 アングレーム・フェスティバルはバンド・デシネ分野におけるフランスの中心的なイベントで、この文化現象は著しく増大しています。それを示すように、2013年には合計514件のBD関連イベントが開催されました。

バルバラ・ルブラン

数字で見るフェスティバル(2013年)

  • 出展者数260社
  • 業界関係者7,000人
  • BD作家1,600人
  • ジャーナリスト800人

- アングレーム・バンド・デシネ・フェスティバル(PDF)

最終更新日 24/01/2014

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