第1回「後藤喜代子・ポールブルダリ科学賞」授賞式 [fr]

 ポール・ブルダリ氏は2013年5月22日、東京・南麻布のフランス大使公邸で、自身の財団初の科学賞を日本人若手研究者2人に授与しました。

日本人妻の追悼のために創設された「後藤喜代子・ポールブルダリがん基金協会」

 Areva社に長く在籍したフランス人エンジニアのポール・ブルダリ氏は、2007年3月に肺がんのため66歳で亡くなった日本人妻の後藤喜代子への追悼を兼ねて、2012年4月に自身の財団を設立しました。設立目的はがん撲滅への寄与であり、特に「がん(とりわけ肺がん)撲滅に寄与する基礎医学及び臨床医学に関する優秀な学術論文を著した日本人研究者を顕彰すること」です。

 ポール・ブルダリ氏は5億円(約380万ユーロ)を投じて同財団を設立。毎年総額500万円(約38000ユーロ)が、選出された日本人研究者へ贈られます。東京大学大学院医学系研究科・呼吸器外科の中島淳教授が、日仏7名の研究者で構成される選考諮問委員会の委員長を務めます。フランス人委員には、フランス・タバコ中毒予防局長を務める、パリ大学医学部付属ピティエ・サルペトリエール病院・呼吸器内科のベルトラン・ドゥゼンベルグ教授も含まれています。

フランス大使公邸において、二人の優秀な日本人研究者へ賞を贈呈

 本賞初の受賞式は5月22日、フランス大使公邸で行われ、研究者や医師をはじめ、公的機関や私企業の代表者など、招待客60数人が集まりました。ジャーナリストも数人出席しました。

 2013年後藤ブルダリ科学賞は、自治医科大学・分子病態治療研究センターのポスト・ドクター曽田学氏へ贈られました。 曽我氏はEML4-ALK遺伝子変異による非小細胞肺がんの発がん機構を明らかにしました。同遺伝子の異常を原因とする非小細胞肺がんは、肺がん全体の数パーセントに過ぎませんが、このメカニズムが明らかになったことで、本遺伝子に対する特異的阻害薬の完成に至りました。前向き臨床試験の結果、本剤が極めて有効なことが示され、短期間で薬剤承認もなされて、現在は治療に用いられています。同遺伝子異常の発見から薬剤の開発、臨床応用まで極めて短期間に進み、大きな効果を得ている治療薬は類を見ません。

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 2013年後藤ブルダリ科学賞・特別賞は、国立国際医療研究センターの放射線核医学科医員である南本亮吾氏へ贈られました。南本氏はDNA合成の盛んな細胞に取り込まれる核種「49-[Methyl-11C]-Thiothymidine」を独自に開発し、臨床研究にてFDG-PET検査を行い、その有用性を示しました。この発見はリンパ節転移や肺ガン検出に応じた新たな治療方法につながるもので、南本氏への本賞の贈呈が臨床応用への促進剤となるよう、同財団は望んでいます。

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 この2人の若手研究者が輝かしい未来を実現すべく、同財団は応援します。

最終更新日 23/02/2016

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