日本を応援するフランス~市民社会 [fr]

 震災を機に日仏関係の力強さと市民社会の積極的な関与が大きく顕在化しました。NGO(非政府組織)、市民活動団体、地方自治体、企業、日本に在住するフランス人たちが、緊急事態に対応したり、被災者を激励しようと続々と支援に乗り出しました。文化グルメカキ養殖建築、人道支援研究経済、観光など、幅広い分野にわたる両国関係の緊密さを象徴する活動の一端を紹介します。

1. アーティスト・文化人

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 ルーヴル美術館が2012年4月27日から9月17日まで、東北3都市巡回展「ルーヴル美術館からのメッセージ:出会い」を開催します。ルーヴル美術館主催によるこの巡回展は、フランス大使館が打ち出した震災復興を文化で応援するキャンペーン「日本とフランス、共に明日に向かって」の一環です。ルーヴル美術館の所蔵品から「出会い」のテーマに沿った24点が厳選され、岩手県立美術館宮城県美術館福島県立美術館で一堂に展示されます。

 多くのアーティストや知識人が日本と強いつながりを持つフランス文化界から、震災後にお見舞いのメッセージを送る動きが起こりました。ジェーン・バーキン、ロール・アドレール、アラン・デュカス、アルノー・デプレシャンなど、大勢の文化人によるビデオ「日本に寄せる80分のメッセージ」をご覧ください。

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 日本で最も人気の高いフランスのエトワール・ダンサー、シルヴィ・ギエムが2011年10月から11月にかけて、東京で大規模なチャリティー・ガラ公演を行なったほか、東京と東北地方での公演に無償で出演しました。東北では岩手県盛岡市の岩手県民会館、今回の公演のために再オープンした福島県いわき市のいわき芸術文化交流館アリオスで舞台に立ちました。2012年1月にはパリ・オペラ座のトップダンサー4人が東北地方に出向き、宮城県の子どもたちにバレエのレッスンを行ないました。

 「マグニチュード9」から「マグニチュード・ゼロ」へ。マンガはフランスと日本のクリエーター間の交流が最も緊密な分野の1つです。フランスの作家たちは東北支援のために集結して「マグニチュード9-日本のためのイラスト」というイラスト集を発刊しました。その日本版「マグニチュード・ゼロ」が刊行され、2012年5月まで「マグニチュード9」収録イラストの巡回展が全国で開催されます。

 「フランスと日本、共に明日に向かって」関連イベントについては、当大使館ホームページをご覧ください。


2. フランス全国に広がる支援の輪

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 東日本大震災の衝撃的なニュースを受けて、日本の自治体と姉妹都市関係を結ぶフランスの都市をはじめ、各地の庁舎で震災翌日に半旗を掲げ、日本国民に対して弔意を表しました。この象徴的な行為に続いて、復興支援のために義援金を募る動きがフランス全国に広がりました。各地の市町村で被災者を支援しようと、コンサートをはじめ、チャリティーのオークションやバザーなどが開催されました。


3. 炊き出しに腕をふるうフランス料理人

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 在外フランス人連合(UFE)、在日フランス人協会(AFJ)と在日フランス人シェフ・パティシエの会(ACPFJ)のイニシアティブにより、フランス人・日本人を問わず、7人のミシュランガイドの星付きシェフを含むフランス料理のシェフやパティシエたちが交代で4月3日から9日までの1週間、多くのボランティアの手助けを得て、津波や原発事故の影響で避難を余儀なくされた福島県郡山市の避難者の方々に温かい食事をふるまいました。この炊き出しのために約50人のボランティアが動員され、毎晩300食を超える食事が配られました。

 以来、同様の試みが続きました。東北地方の様々な町で合計16もの炊き出しが行なわれ、被災者の方々に憩いのひとときを提供しました。9月23日にはミシュランガイドの3つ星シェフ、アラン・デュカスが自ら東北地方に出向きました。


4. カキ養殖業者の「フランスお返しプロジェクト」

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 1970年代にフランスのカキ養殖を救ったのは東北地方のカキでした。日仏間の助け合いの象徴となったこのエピソードから、今度は自分たちが津波で壊滅的な打撃を受けた日本のカキ養殖業を救おうとフランス人たちが立ち上がりました。

 フランスのNGO「プラネット・ファイナンス」は、パートナー団体とともに、東北各地(気仙沼、牡鹿、万石浦、東松島)のカキ養殖業者に養殖資材を輸送しました。このプロジェクトはフランス財団から20万ユーロの助成を受け、カキの種付け作業に間に合うように実施されました。

 FFCCフランス料理文化センターが石巻のカキ養殖業者を支援。6月中旬にフランス外務・ヨーロッパ問題大臣の特別後援により開催され、日本のカキ養殖業者も出席したチャリティー・ディナー、そして10月2日に東京で大使館後援の下で行なわれた「フレンチ・レストラン・ウィーク」のオープニング・ディナーなどを通じて、コレージュ・キュリネール・ド・フランスにより集められた義援金がその財源となりました。


5. 市民活動団体・NGO

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 在日フランス人協会(AFJ)は長期にわたり毎週末30人ほどのボランティアを被災地に派遣し、がれきの撤去、食料や必要物資の配給などに従事しました。

 フランス人のドミニック・レギュイエ氏が事務局長を務め、緊急事態に対応する活動(被災者への毛布や水、おむつ、必要物資の提供)を積極的に行なっているNGO「国境なき子どもたち(KnK)」は、釜石市のコミュニティ・センターの建設、岩手県のスクールバス、陸前高田市の図書館バスなどのプロジェクトのためにフランス企業から多くの寄附を得ました。

 2011年9月、フランスのNGO「市民の絆フランス(Secours Populaire français - SPF)」は石巻市の診療所「祐ホームクリニック」の建設を支援しました。これは東日本大震災および津波の被災者の方々のためにSPFが行なっている連帯活動(石巻の高齢者施設への車椅子、大船渡市へのスクールバスの寄附など)の一環です。

 日本在住のフランス人建築家、リシャール・ブリア氏が会長を務めるフェール城桜協会は2012年1月に石巻市のコミュニティー・センター建設に着手しました。省エネ・エコハウスとなる予定で、津波で最も甚大な被害を受けた地域の1つである石巻における社会的なつながりの再構築に資することでしょう。このプロジェクトは国土交通省の支援を得ています。


6. 研究者

 2011年6月17日、フランス国立研究機構(ANR)と日本の科学技術振興機構(JST)は、今回の震災等に関連する緊急を要する研究の促進のため、共同プロジェクトを公募しました。33の応募プロジェクトにフランスの科学界は大きな関心を寄せ、採用された9つのプロジェクトには1件あたり10万ユーロの助成金が提供されました。プロジェクトは2011年末にスタートし、研究期間は1年半の予定です。


7. 在日フランス企業

 フランス政府はフランス企業振興機構/ユビフランスと協力し、放射線防護など緊急を要するニーズに対応したり、リスク管理や復興に資すると思われるフランスの専門能力やノウハウ、製品などを日本側に紹介するため、「イニシアティブ日本」を始動しました。東京ではフランス企業の来日ミッションが2度(4月26~28日、7月5~8日)にわたって行なわれ、およそ30社が優先的なニーズに対応しました。6月7日にはパリのユビフランス本社で、フランス政府対外貿易顧問委員会と在日フランス商工会議所との緊密な連携のもと、日本の現状を把握するためのセミナーが開催されました。

 フランスにおける観光事業当局は、フランス観光開発機構の協力を得て、日本旅行業協会が2011年6月に東京で展開したポスター広告による観光促進キャンペーンを資金的に援助したり、2011年3月の震災発生からわずか3週間後に開催された、毎年恒例の「ランデヴー・アン・フランス(フランスで行われる観光マート)」に参加した観光業界やプレス関係17名で構成された日本からの代表団に心からの敬意を表するなど、日仏の観光面での交流をとりわけ支援しています。フレデリック・ルフェーブル観光担当大臣は日本からの代表団と面会し、被災された方々への募金を呼び掛ける「世界の医療団」やフランス観光開発機構の活動を強く支持しました

最終更新日 04/03/2016

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