伝統と先進のガラス製作所、サン=ジュスト [fr]

 フランスでは、サン=ジュスト・ガラス製作所が2世紀以上前からステンドグラス、ガラス、色板ガラス、手吹き法による板ガラスなどを製造しています。ガラスの「オートクチュール」は国境を越え、遠方の国にも輸出されています。

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 コート・ディヴォワールの首都ヤムスクロにある平和ノートルダム大聖堂のステンドグラス。トゥール・ダルジャン東京店の青みがかった仕切りガラス。在日フランス大使館の来訪者を出迎える、黄金色に光る半透明のガラス張りの壁。ヴェルサイユ宮殿の手吹き法による窓ガラス。ホワイトハウスのアメリカ大統領公邸のリニューアルされた窓。今年のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞したテレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』に登場する、ダラスのサンクスギビング・スクエアにある礼拝堂の巨大ならせん状のステンドグラス。これらほんの一例だけでも、サン=ジュスト・ガラス製作所の多彩な作品を概観できるでしょう。この驚くべき製作所は知名度こそ低いものの、その製品は世界各地で目にすることができます。

 一般にはほとんど無名のガラス製作所は、ロワール県サンテ・ティエンヌ近くの小さな村で180年前から操業しています。従業員100人以下のこの小規模企業は、今でも手吹き法で大型のガラスを製作しているヨーロッパで唯一の工場です。これらの大型サイズは芸術家や建築家に使われ続け、際立った品質を誇っています。同社は特に彩色で評判が高く、深紅から黄金色、ベロネーゼ・グリーン、マティス・ブルー(かつてマティスのために特別に調合された色)に至るまで、300色をそろえています。

 同社はマルク・シャガール、ジョアン・ミロ、藤田嗣治、フェルナン・レジェらとも作業しました。彼らのために手吹き法で巨大な板ガラスを製作し、世界中の有名なステンドガラスを飾っています。例えば、ニューヨークの国際連合本部ロビーにあるシャガールのステンドグラス、ヴァンスのロザリオ礼拝堂にあるアンリ・マティスのステンドグラス、ランスのフジタ礼拝堂などが挙げられます。

 今日、ガラス製作所はジャン=ミシェル・フォロン、フィリップ・スタルク、ピーター・マリノなど、多くの現代美術家に協力しています。ピーター・マリノが上海や東京で手がけた約10店舗の高級ブティックには彩色ガラスが使われていて、壁パネルとなったり、光を反射させたり、空間を圧迫せずに色を加えたりしています。

 目立つことのないガラス製作所は、一大産業グループのサンゴバンの傘下に入って以来、文化遺産の大規模改修工事の大半で第一線に躍り出ました。クリエーターからもアーティストからも高い関心を呼んでいます。この旧来の素材は今や最先端技術と結びついて、建築家からの引き合いも増えています。現在、ガラスが使われる傾向にあるのは、その多くの美質と応用の可能性をかんがみれば至極当然のことです。「想像もつかない分野で、ガラスの利用が増えています」とサンゴバン・グループのガラス・テクノロジー専門家のピエール・マングノー氏は言います。LED(発光ダイオード)が組み込まれて光るガラスや、電気的刺激に触れると発熱するガラス。光が強いときに任意に色調を変えられるガラスは、省エネルギーにつながります。ワイヤレスオーディオシステムと接続したただの鏡が、その振動性のおかげでスピーカーにもなります。

 サン=ジュスト製作所では、熟練したガラス職人があらゆる先端技術を取り入れてきました。吹きガラスの手作りの伝統を守る一方で、高級ガラスの最新技術も逃すことは決してありません。何一つ偶然にゆだねることのない伝統と先進の融合によって、このスケールの大きな小企業は外国にも多くの顧客を持っています。まさに現代的な老婦人です。

- サン=ジュスト社のホームページ

最終更新日 02/12/2011

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