日本人を魅了するフランス生まれの小さなロボット「ナオ」 [fr]

 東京大学がフランスのアルデバラン・ロボティクス社製の小さな人間型ロボット30体を導入しました。フランスはロボット大国に進出することで、日本やアメリカにとった遅れを取り戻し始めました。

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アルデバラン・ロボティクス社製ヒューマノイド・ロボット「ナオ」

 「ナオ(Nao)」は昨夏、上海万国博覧会のフランス館でモーリス・ラヴェルの『ボレロ』に合わせてダンスを披露し、大きな反響を呼びました。誕生して4年足らずですが、すでに世界各地の大学を巡っています。アルデバラン・ロボティクス社はこれまでアメリカのハーバード大学やスタンフォード大学の研究室、中国やフランスの大学数校に200体以上を納入しました。今回は日本がナオを採用したのです。

 「片や予算的に手が届かない超高性能ロボット、片や安価で性能もそれなりのおもちゃロボット、その二極間でリーズナブルな価格で研究ができるロボットはナオをおいてほかにありません」と仏アルデバラン・ロボティクス社のブリュノ・メゾニエ社長は太鼓判を押します。同社はナオのおかげで、設立わずか5年ながらヨーロッパの人間型ロボット業界の主役に躍り出ました。

 東京大学がフランスの科学技術に関心を示したのも、まさにナオの費用対効果に優れた高品質のおかげです。アルデバラン・ロボティクス社が提供する教育プログラムの一環として、大学機関は同社のロボットを有利な価格で購入できるため、東京大学は1体1万2,000ユーロ以下で導入できました。他方、ソニーの人間型ロボット「キュリオ」と犬型ロボット「アイボ」はすでに生産を終了しています。どちらも高額でした。人間型ロボットの性能向上を目標とするロボット工学科の学生には、費用と性能の両面であまりに過剰でした。「私たちは動作研究や人間とロボットのコミュニケーションなど、複数の目的にこのロボットを利用します」と東京大学大学院情報理工学系研究科の中村仁彦教授は明らかにします。

 ナオは身長58センチと小柄なうえ、多彩な双方向性を備えているので、まさにうってつけでした。この小型ロボットは話す、踊る、転倒を検知する、転倒時に起立する、サッカーをする、物をつかむ、無線LANでインターネットに接続するといったすべての動作を、極めて優れたバランス感覚でこなします。
日本の研究者や学生はナオを研究し、高齢者支援をはじめとする新しい応用方法を考案するためにプログラミングしようとしています。というのも、日本では他国同様に、高齢者や要介護者の支援がロボットの主要な将来市場の一つだからです。

 ナオがトランプやチェスをしたり、メールや本を代読できるようになれば、遊び相手や介助人になれるかもしれません。人による見守りや人そのものに取って代わることはできませんが、貴重な補完役になるでしょう。

 フランスは人間型ロボット研究分野で長年日本とアメリカの後塵を拝してきましたが、その遅れを取り戻そうと10年ほど前から努力を続けています。フランス国立科学研究センターは2003年12月、日本の産業技術総合研究所(AIST)と日仏ロボット工学共同研究ラボラトリーを設立する協定を結びました。つくばとヴェルサイユに設置された研究拠点では、日本とフランスの研究者が日本製の人間型ロボット「HRP-2」の性能向上に共同で取り組んでいます。

 アルデバラン・ロボティクス社はすでに次世代機「ロメオ(Roméo)」の開発に乗り出しています。これはフランスのロボット工学の先導プロジェクトであり、予算1,000万ユーロの半分はイール=ド=フランス地域圏、パリ市、競争力・産業・サービス総局(DGCIS)が交付する公的補助金で賄われます。フランス・ロボット業界の花形企業は、ドアの開け閉めや、水の入ったコップや鍵の束を操れる、身長1メートル40センチの高齢者向け生活支援ロボットを鋭意開発中です。

 新型ロボットはとても礼儀正しいのはもとより、転倒した人の立ち上がりを支援できなければなりません。そこにこそ技術的チャレンジがあります。ナオのお兄さんにあたるロメオは、2015年に市販化される予定です。ナオは将来も研究室の秘蔵っ子であり続けるでしょうし、夢物語ではないこのロボット開発競争でフランスが地位を築く礎となるでしょう。国際連合の経済機関が実施した調査によれば、21世紀にはパーソナルロボット産業が20世紀の自動車産業のようになるとみられているのです。

- アルデバラン・ロボティクス社のホームページ

最終更新日 07/01/2011

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