フランスの地方制度改革 [fr]

 2015年8月7日に公布されたフランス共和国の新しい地方組織(NOTRe)に関する法律は、地域圏に新しい権限を与えるとともに、各地方自治体に与えられる権限を明確に定義しています。これは地方公共活動の近代化およびメトロポールの明確化に関する法律、地域圏の境界画定に関する法律に続く、フランソワ・オランド大統領が望んだ地方制度改革の第3段階です。

JPEG

背景

 フランスの国土整備過程である地方分権化は、国から地方自治体への権限移譲が可能にしています。憲法第1条には「フランス共和国の組織は地方分権化される」と明記されています。フランスには101の県、3万6,700の市町村(コミューン)、22の地域圏、2,600の市町村広域連合体があります。

 今日、フランスには権限を分け合う4つの地方行政段階(市町村、市町村広域連合体、県、地域圏)があります。この多重行政、共有された権限、交差した財源は、しばしば「ミルフィーユ状の地方制度」という表現で言い表されます。この組織構造は市民にとって分かりづらいことが多く、地方自治体の公共活動の効率性に悪影響を与えています。

 オランド大統領が掲げた大幅な地方制度改革は、フランスの地方構造を数十年かけて変えるものです。その目的は公的支出を削減すること、市民のニーズをよりよく考慮に入れることです。

具体的には?

メトロポール

 第1段階は2014年1月、いわゆる地方公共活動の近代化とメトロポールの明確化に関する法律によって開始しました。メトロポールという新しい自治体の地位が創設されたことで、地方レベルの権限行使の明確化が本格的に始まります。2015年1月1日にレンヌ、ボルドー、トゥールーズ、ナント、ブレスト、リール、ルーアン、グルノーブル、ストラスブール、モンペリエの各メトロポールが誕生しました。2015年1月1日に新設されたメトロポール・ド・リヨンは、完全なる地方自治体で、特別な地位を有します。メトロポール・デュ・グラン・パリとメトロポール・デクス=マルセイユ=プロヴァンスは2016年1月1日に誕生しました。これらの新しい自治体は、より広範な権限を有し、県の道路管理、通学交通、地域の国際的なPR活動などに関与します。

新しい地域圏図

JPEG - 73.9 kb
再編前の22地域圏
JPEG - 89.5 kb
再編後の13地域圏

 地方制度改革の第2段階は、フランス本土の地域圏の数を22から13(コルスを含む)に削減することを目的とします。地域圏の境界画定および選挙日程を変更する地域圏議会・県議会選挙に関する2015年1月16日付法律に基づき、地域圏図の改訂が行われ、2016年1月1日より地域圏数は13になりました。ただし、コルス(コルシカ島)は特別な地位を有します。

 フランス本土の12地域圏のうち7地域圏は、2つもしくは3つの地域圏が統合された結果です。法律の第2条が、これら7つの新地域圏の圏都と圏名について、地域圏議会の答申を受けた上で、コンセイユ・デタ(国務院)の審議を経て、2016年10月1日までに発せられるデクレ(政令)によって制定されると規定しています。デクレは同年9月29日付の官報で公布され、フランスの新しい地域圏の圏名と圏都が最終的に定められました。

フランス共和国の新しい地方組織(NOTRe)

 この法案は地方公共活動の近代化およびメトロポールの確立に関する法律と、2014年12月15日に行われた元老院の新たな読会で採択された地域圏の境界画定に関する法案に続く、オランド大統領が望んだ地方制度改革の第3段階です。国民議会は2015年7月16日、両院合同委員会の報告を受けて、フランス共和国の新しい地方組織(NOTRe)に関する法案を採択しました。

刷新された地方組織

 2016年9月29日付官報は、デクレによってフランスの新しい13地域圏の圏名と圏都を定めています。

 合併した地域圏については、以下の名称が採用されました。

  • グラン・テスト地域圏(アルザス、シャンパーニュ=アルデンヌ、ロレーヌの3旧地域圏を統合)、圏都はストラスブール
  • ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏(アキテーヌ、リムーザン、ポワトゥー=シャラントの3旧地域圏を統合)、圏都はボルドー
  • オクシタニー地域圏(ラングドック=ルシヨン、ミディ=ピレネーの2旧地域圏を統合)、圏都はトゥールーズ
  • オー=ド=フランス地域圏(ノール=パ=ド=カレ、ピカルディーの2旧地域圏を統合)、圏都はリール
  • ノルマンディー地域圏(オート=ノルマンディー、バス=ノルマンディーの2旧地域圏を統合)、圏都はルーアン

 2つの地域圏は仮称を最終的に採用しました。

  • オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏、圏都はリヨン
  • ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏、圏都はディジョン

 ブルターニュ、イール=ド=フランス、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール、ペイ・ド・ラ・ロワールの4地域圏は圏名、圏都ともに現状維持。コルスは特別な地位を維持。サントル=ヴァル・ド・ロワール(旧サントル)地域圏は、圏名のみが変更されました。

 国民議会で11月25日に正式な投票が行われ、13地域圏の区分地図が最終的に可決しました。憲法院は2015年1月15日、地域圏の境界画定および選挙日程を変更する地域圏議会・県議会選挙に関する法律を有効と認めました。

 この新しい区分地図は以下の事項が反映されています。

統合された地域圏

  • アルザス、ロレーヌ、シャンパーニュ=アルデンヌ
  • ノール=パ=ド=カレ、ピカルディー
  • ブルゴーニュ、フランシュ・コンテ
  • オート=ノルマンディー、バス=ノルマンディー
  • ローヌ=アルプ、オーヴェルニュ
  • ミディ=ピレネー、ラングドック=ルシヨン
  • アキテーヌ、リムーザン、ポワトゥー=シャラント

変更がなかった地域圏(圏都)

  • ブルターニュ(レンヌ)
  • ペイ・ド・ラ・ロワール(ナント)
  • サントル、名称はサントル=ヴァル・ド・ロワールに変更(オルレアン)
  • イール=ド=フランス(パリ)
  • プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール(マルセイユ)
  • コルス(アジャクシオ)

 フランス本土の13地域圏で構成される新しい区分地図は2014年7月23日、国民議会の第1読会で採択されました。元老院議員は同年10月30日、アルザス、ラングドック=ルシヨン、ミディ・ピレネの3地域圏の自治権を復活させる15地域圏による区分地図に賛成票を投じました。国民議会議員は同年11月25日の正式な投票で、13地域圏による区分地図を最終的に採択しました。

 7人の「先導役」知事が、統合で誕生した7つの新しい地域圏において、国家行政地方組織計画の策定と連絡調整、2018年までの計画実行の主要な段階の決定と推進を担いました。

 首相は2015年12月16日の閣議で、地域国家の課題と組織に関する報告を行いました。国の現行144の部局が63の新部局に再編されます。地域圏をまたぐ役務(防衛管区、雇用局、環境・エネルギー制御庁など)の管轄区域も新しい地域圏に適合されます。

 統合された各地域圏に対し、地域圏知事は1人のみです。したがって9つの地域圏知事ポストが削減されます。地方レベルでは、地方分散化された部局の間で業務の共同化を推進するため、国の部局の指揮ならびに、運営事業者や関係機関全体の取りまとめに関する県知事の役割が強化されます。より一般的に言えば、公務員約500人の配属先が変更され、公務員1,500人の職務が変更される見通しです。

 ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏の「先導役」知事は、複数の場所にまたがる業務とテレワークの課題への対応をめざす新しい働き方の実験を任務とします。首相府の関係部局(公共活動近代化事務総局省庁間情報通信サービス局)の支援を得て、「行政3.0」への転換を図る機会となります。これと並行して、内務大臣から新世代型県庁計画が発表されました。とりわけ身分証明書、旅券、運転免許証、自動車登録証の新しい交付方法を今後2017年までに普及させることで、より質の高い行政サービスをフランス国民に提供することが目的です。

 最後に、地域圏のさまざまな組織・機能措置に関するデクレは、何よりもまず県レベルが最も身近な国の行動枠組みであることを確認しています。

最終更新日 20/12/2016

このページのトップへ戻る