日仏の懸け橋:MOFの称号を持つ在日歴40年の名シェフ、ジャック・ボリー [fr]

JPEG 在日歴40年以上のジャック・ボリーさんは、フランス国家最優秀職人章(MOF)の称号を持ち、フランス料理アカデミーの金メダルを受賞した名シェフです。来日以来、東京のホテル・オークラの「ラ・ベル・エポック」で料理長を務めたほか、銀座のレストラン「ロオジエ」をフレンチの名店にするなど、そのキャリアを通じて、本場フランスの美食、生活美学、会食の楽しみを日本に紹介し、根づかせてきました。

 はるばると大陸を越えて来日し、日本に長く住むことになった理由は何だったのでしょう? 名だたるシェフの下で研鑽を積んだ後、フランス料理界の重鎮で、彼が師と仰いだジャン・ドラヴェーヌ氏によって1971年に東京に派遣されました。そのまま帰国しないことになるとは思いもよりませんでした。「当時、日本に行くというのは、月に行くようなものでした」とボリーさんは振り返ります。彼は日本人がどれほどまじめで、誠実で、勤勉であるかを知りました。「これ以上、何を望みますか? 私たちの職業にとって理想的です」

 「私は日本で働く中で2人の偉大な人物に出会いました。ホテル・オークラの野田氏と、名店ロオジエを経営する資生堂の福原氏です。福原氏は私を信頼し、すべてを任せてくれました。とても素晴らしいスタッフをはじめ、多くのチャンスに恵まれました。私たちは各自がやるべき事に集中し、落ち着いて仕事をすることができました」

 ボリーさんは美食とフランスの生活美学や文化を組み合わせる一方、日本の特徴を発見し、その違いを味わいます。ボリーさんによると、レストランでの日本人は「静か」なのだとか。フランスではレストランは社交の場で、食事をともにすることは会話やディスカッションを楽しむこと。隣のテーブルから聞こえてくる会話や物音などすべてが、フランス流レストランをつくる要素の一つです。

 「フランスと日本には、それぞれの文化、料理の歴史があります。お互いの文化に常に学ぶべきことがあると思います。そもそも料理は、芸術や知識のように世界を巡ります。私は自分のアイデンティティー、食事を楽しむという考えを含めた私のフランス文化を反映する料理を作ってきました。フランス人は気難しい面もありますが、それも魅力の一つです。とはいえ、私はもうフランスで働くことはできません。日本が私を変えました。フランスで仕事をするには、日本人的になりすぎました!」

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最終更新日 21/11/2016

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