粒子浮遊技術を駆使した大気光化学反応と雲粒の発生に関する研究 [fr]

 SAKURAプログラムのパートナーシップの枠組みの中で、日仏両チームによるイニシアチブで、粒子浮遊技術を駆使した大気光化学反応と雲粒の発生に関する研究が行われています。

 在日フランス大使館が支援するSAKURAプログラムの枠組みの中で行われている、広島大学の石坂昌司教授と、フランス国立科学研究センターおよびリール第1大学のソフィー・ソバンスカ教授両氏による研究プロジェクトを紹介します。化学分野のこの研究プロジェクトは、1年目が終了し、2年目も継続して行われています。

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研究の概要

 大気中にはエアロゾルと呼ばれる小さな微粒子が浮遊しています。エアロゾルは、大気中で水蒸気が水滴に変化するための足場を提供していますが、その詳細な機構は不明です。これは、エアロゾルが大気中を輸送される間に太陽光の影響を受けるとともに、さまざまな化学反応が進行し、多種多様な微粒子が混在しているためです。本プロジェクトは、単一のエアロゾル微粒子を空気中の一点に非接触で浮遊させ、光学顕微鏡下において人工的に雲粒の発生を再現し、微粒子ごとにどのように反応が進行するのかを調べ、大気中におけるエアロゾルの光化学反応と雲粒の発生機構の関連を解明することを目指しています。

 日仏の両研究代表者が独自に開発した、微粒子を空気中に浮遊させ雲粒を発生させる実験装置は、世界でも類を見ない極めて独創的なものです。

現時点で得られた成果と、今後期待される効果は?

 日本側研究代表者が開発したレーザーを用いた粒子浮遊実験装置と、フランス側研究代表者が開発した音波を用いる粒子浮遊実験装置を駆使して、海水に由来するエアロゾルのモデルとして、塩化ナトリウムを主成分とする単一微粒子を、空気中に浮遊させたまま固体から液滴、また液滴から固体へと変化させることに成功しました。

 気候変動予測に必要不可欠なエアロゾル微粒子の光化学反応と、それを足場とした雲粒発生に関する基礎的な知見を提供することによって、環境や健康への影響が懸念される浮遊粒子状物質の反応機構解明への応用と波及効果が期待されます。日仏のみならず世界の研究者が取り組むべき重要な研究課題であり、その重要な足掛かりとなるものです。

SAKURAプログラムによってもたらされたものは?

 若手研究者と大学院生が主体のプログラムであるため、将来につながる日仏の人的交流ができました。

SAKURAプログラムについて

 フランス側は外務・国際開発省と国民教育・高等教育・研究省、日本側は独立行政法人日本学術振興会によって支援されている、若手研究者の日仏2国間学術交流推進のための支援制度です。

 選考方法、条件についてはこちらをご覧ください。

最終更新日 03/11/2016

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