エロー外務・国際開発大臣が死刑に関するハイレベル・イベントで発言 [fr]

 ジャン=マルク・エロー外務・国際開発大臣は9月21日、国連総会閣僚級週間中に開催された死刑に関するハイレベル・イベントで発言しました。

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Photo : Martin Loper

ニューヨーク、2016年9月21日

 国連人権高等弁務官、
 閣僚の皆さま、
 ご列席の皆さま、

 発言の機会をいただき、ありがとうございます。国連総会閣僚級週間の併催イベントとして今や恒例となった、死刑廃止という大義をめぐるこの会合で発言できることを嬉しく思います。私は2月29日、ジュネーヴで開催された国連人権理事会で、フランスの立場をあらためて表明する機会を得ました。オスロで開催された第6回死刑廃止世界会議でも表明し、本日もまた皆さまの前で申し上げる機会を得ました。死刑は非人道的かつ効果がない刑罰である、これが我々の信念です。

 我々がここで進める死刑廃止のための闘いは、集団的責任、政治的な闘い、ある種の正義観や人間観を表明する道徳的な闘いでもあります。フランスにとって、全世界的な死刑廃止のために闘うことは一つの優先課題です。我々が拷問および虐待の絶対禁止のために闘うときも同様です。我々のこの死刑廃止のための取り組みは、人権に対する志が高い国の取り組みなのです。というのも人権分野では、志に代わるものがないからです。フランスはこの闘いに熱心に取り組み、とりわけ国連をはじめとする、すべての国際機関で力を尽くしています。もちろん2国間関係においても全力を尽くしており、我々が共有する目標である全世界的な死刑廃止を達成するまで、フランスは不退転の決意で行動し、今後も行動し続けます。

 今般のハイレベル・イベントに大勢が出席していることが、そのことを物語っています。我々は手を携えて、国境や対立をも越えた闘いを進めています。我々は勝利に彩られたこの闘いの道のりを誇りに思います。現時点で103カ国以上が死刑を廃止したほか、6カ国が通常の犯罪に対する死刑を廃止し、32カ国が死刑執行モラトリアムを順守しています。合計141カ国がこの残酷で不当な刑罰をすでに排除しています。これらすべてのことが今朝、あらためて指摘されました。

 2015年は我々共通の大義が一層浸透した、進歩の年と言えるでしょう。新たに4カ国が我々に合流し、すべての犯罪に対して死刑を廃止しました。マダガスカル、フィジー、コンゴ共和国、スリナムです。同じ年に4カ国というのは、2007年以来の記録です。しかしながら、これらの勝利や希望にもかかわらず、我々の闘いは成功したというにはまだ程遠い状態であることを強く申し上げたいと思います。それゆえに闘いを継続し、強化する必要があります。あまりに多い死刑存置国や定期的な死刑執行によって、死刑制度は世界中で存続しています。先に触れた進歩も、同じ年に記録された過去最高の死刑執行数によって色あせました。前年比で54%増加、すなわち年間1,634人の男女が処刑されました。過去25年間で最多の執行数です。ぞっとするような、情け容赦のない、正当化できない数字で、おそらく実際の件数よりも少ないものと思われます。死刑はいまだ58カ国で認められ、制度化されています。いかなる理由も男性や女性の死を正当化できないことを、これらの国に納得させることが我々の仕事です。私は2015年に処刑された18歳未満の未成年で、まだ子どもと言える9人の若者の死のことを考えています。我々は世界中の至る所で、中国、イラン、パキスタン、サウジアラビア、イラク、ソマリア、エジプト、アメリカなど、この刑罰が存続するところであればどこでも例外なく、この闘いを進めなければなりません。

 今日では死刑の適用を正当化するため、テロの脅威を引き合いに出すのを耳にします。気をつけてください、我々民主主義諸国も含めて、この問題が時に蒸し返されます。時にはそっと静かに、時にはより声高に訴えられます。これは落ちてはならない罠(わな)です。何であれ、人権を再び問題にすることは正当化できません。死刑はいかなる場合でも、死や恐怖の種をまくと決心した人、自らの大義のために死を覚悟した人を思いとどまらせる安全装置では決してありませんし、これからも決してありえません。死刑はそれを適用する諸国を脆弱化させ、テロリストの目標に資することになります。この立場は、これは一つの確信ですが、テロに対する答えおよび市民保護に関する絶対的な揺るぎない姿勢と両立するものと信じています。我々は全世界的な死刑廃止によって、力強いメッセージ、希望のメッセージを築くとともに、法の普遍性の正しさという我々諸国民の深い信念を示すことができます。

 死刑に固執する国は今日、先ほども申し上げましたが、例外とみなされています。何よりもまず、これが最初の勝利です。しかし我々は、この例外がますます希少な事例となり、完全に消滅するまで闘いを続けなければなりません。死刑を廃止することは、真実が勝利するようにすること、誤りが広がらないようにすることです。それは必要ならば、許しが受け入れられるようにすることです。悪に対して弱いこと、恐怖に対して弱いこと、ひいてはテロリストが正しいと認めること、それらを拒否するということです。というのも今日、この議論は我々民主主義諸国にも存在しているからです。

 「死刑は、人類が2,000年前から培ってきた最も高尚な思想、最も崇高な夢に反するものだ」。そう表明したフランスの偉大な政治家、ジャン・ジョレス自身も、第1次世界大戦に反対していたとき、テロリストの銃弾に倒れました。ですから偉大な人道主義者が、この見事な教訓を我々に与え、素晴らしいメッセージを送ったのです。すなわち、結局のところ、それは命懸けで平和を守ったがゆえの死でした。より崇高な人間性への道を歩む我々は、この闘いを続け、ますます多くの同志と手を携えて闘いを続けていく理由が十分にあるのです。

 ご清聴ありがとうございました。

最終更新日 29/09/2016

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