仏独伊首脳が共同声明を発表 [fr]

 フランソワ・オランド大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、イタリアのマッテオ・レンツィ首相は6月27日、イギリスの国民投票を受けてベルリンで会談後、共同声明を発表しました。

フランソワ・オランド大統領の発言(ベルリン、2016年6月27日)

 皆さん、何よりもまずアンゲラ・メルケル首相に、本日の歓迎に対して感謝を申し上げたいと思います。

 我々はヴェルダンの極めて感動的な式典の際に、アンゲラと私で、ヨーロッパ理事会の前に再び会談することで一致していました。我々はこの準備作業、この会合にはマッテオ・レンツィ首相の参加も必要であると思いました。というのも、我々はヨーロッパ連合の3大国だからです。

 もちろんイギリスもですが、イギリスは決定を下しました。国民投票はすでにずっと以前から発表されていました。ヨーロッパ連合は-我々は手を携えて取り組みました-イギリス国民が自身に問われた質問に肯定的に答えられるように、適切な対策を見いだすよう努力しました。我々は結果を得ました。離脱派が勝利しました。我々はこの選択を極めて遺憾に思います。たとえ52%が離脱に賛成したにせよ、すなわち特に多くの若者をはじめとする48%が残留を望んだことになります。

 我々が遺憾に思うのも、イギリスが地理的にも歴史的にもヨーロッパにある友好国、同盟国だからです。とはいえ、我々はこの決定を尊重しなければなりません。それが意思を表明した国民に対する我々の義務であり、実施された国民投票に対する義務であり、極めて長期にわたった上、ヨーロッパレベルの会合でも多くの時間が費やされた議論に対する義務です。

 しかし我々は今、悲しみを表明すると同時に責任感を発揮しなければなりません。責任とは、時間を無駄にしないことです。イギリス離脱問題に適切に対処するために時間を無駄にしないこと、27カ国による新しいヨーロッパ連合に与えるべき新たな推進力の問題に取り組むために時間を無駄にしないことです。

 なぜ時間を無駄にできないのでしょうか?それは不確実性ほど最悪なものはないからです。

 不確実性はしばしば非理性的な政治行動から生まれます。不確実性は非理性的になり得る金融行動からも生まれます。イギリスがすでに経験していることで、政治面でも金融面でもつらく苦しい経験です。しかしヨーロッパに影響があってはなりません。ヨーロッパは安定し、ヨーロッパは強く、たとえ修正が行われ、最重要課題が再確認されるべきであるにせよ、ヨーロッパは続行されるべきプロジェクトだからです。

 それゆえに、アンゲラが述べたとおり、イギリスによる通知が可及的速やかに行われるように、この通知に先立って事前交渉がないように、ひとたび通知がなされ、EU諸機関に伝達されれば、第50条に則ってこの交渉段階に入るようにするために、時間を無駄にはできません。この手続きを踏むこと、通知が可及的速やかになされることが、ヨーロッパ全体にとってより望ましいことです。

 我々はイギリスの政治情勢もよく理解しています。ここでも尊重する姿勢を示すべきである一方で、我々はイギリス側にも我々に対する、すなわちヨーロッパ連合に対する尊重を期待しなければなりません。

 いずれにせよ我々はイギリスとの強固な関係を維持します。とりわけフランスにとっては、防衛協定があります。我々はいずれも、政治・経済・貿易関係があり、それらは今後も続きます。

 具体的な最重要課題に新たな推進力を与えるためにも時間を無駄にしてはなりません。ヨーロッパをつくり直すことではありません。ヨーロッパはつくるものであって、つくり直すものではありません。ヨーロッパは建設すべきであって、再建する必要はありません。ヨーロッパは建設し続けるべきですが、それと同時に本質的な最重要課題に集中し、具体的な措置を迅速に講じなければなりません。

 アンゲラは4つの最重要課題を挙げましたが、我々もマッテオとともに、まさにこれらの課題について触れます。我々は安全保障、国境保護、テロ対策、共同防衛能力について議論しました。これはヨーロッパ市民がヨーロッパに期待している保護のためにも極めて重要な側面です。

 第2の最重要課題は経済成長および雇用で、特にデジタルをはじめ、エネルギー移行の諸課題などへの投資の支援を伴います。この課題と極めて深い関連があるもう1つの最重要課題について、我々は多くのやるべきことがある上、我々が着手した現行の取り組みよりもはるかにより良くやるべきことがあります。それは若者です。若者がとりわけ交流、移動性、教育、もちろん雇用について、ヨーロッパをより一層信頼できるように、我々は今後数カ月間に具体的な措置を講じなければなりません。

 最後にユーロ圏では、我々はユーロ圏に入っていますし、ユーロ圏に入っていない国があることも承知していますし、それらの国も尊重していますが、ユーロ圏で手を携えて進めるべき税と社会保障の調和化があります。これも我々の最重要課題の一つです。

 さらに常にこの問題があります。どのようにしてヨーロッパをよりよく機能させるか? どのようにしてEU諸国民のために、一層の迅速性、一層の柔軟性、一層の明確性をヨーロッパに与えるか? これも我々が今後数週間に行う議論の一つです。

 時間を無駄にしていはならないというのも、9月には、ヨーロッパ理事会が日程を維持すれば、すでに提示可能な作業があるからです。

 以上、申し上げたとおり、重要なことは明確性、迅速性、結束です。我々が明確であり、迅速であれば、我々は結束すると私は確信しています。

仏独伊首脳共同声明(ベルリン、2016年6月27日)

 イギリス国民の過半数が2016年6月23日、ヨーロッパ連合を離脱する意思を表明しました。フランス、ドイツ、イタリアはこの決定を尊重します。我々はイギリスがヨーロッパ連合における我々のパートナーでなくなることを遺憾に思います。

 我々はヨーロッパ連合が今日、適切な答えをもたらす十分な力があることを全面的に信頼します。時間の猶予はありません。

 我々は今日、ヨーロッパの結束のために断固とした決意を表明します。我々は経済的・社会的進歩を保証し、世界におけるヨーロッパの役割を明確にすべく、我々の共通機関とともに手を携えて行動しながら、我々の諸国をより強くするために、ヨーロッパ連合が極めて重要であることを断固として確信します。

 ヨーロッパ連合(EU)は約60年来、権利、自由、共通価値観の唯一無二の共同体です。我々はEUによって、経済的成功と社会的保護を結びつけるヨーロッパの社会モデルを守ることができます。我々はEUによって、文化多様性を守ることができます。単一市場、共通政策、ユーロは世界でも並ぶものはありません。これらの成果は我々の繁栄の基礎です。我々は手を携えて我々の利益と世界における自由で公正な貿易を守ります。我々は手を携えてエネルギー政策で前進し、世界レベルで気候保護に貢献します。我々は手を携えて世界の安定と発展に貢献し、自由を促進します。

 我々はヨーロッパ連合が市民の支持に支え続けられなければ、新たに積極的に行動することはできないことも、同じように断固として確信します。

 そのために、ヨーロッパ連合は目標と機能を明確にしながら、諸国民によって表明された懸念に応えなければなりません。EUはヨーロッパ人が力を結集すべき場合は、本質的な最重要課題についてより存在感を強める一方、加盟国が行動する方が有利な場合は、より存在感を弱めなければなりません。EUは市民の民主的監督下に引き続き置かれ、わかりやすさを一層高めなければなりません。とりわけ市民に直接的利益をもたらすプログラムやプロジェクトを実行するためには、より迅速に行動しなければなりません。

 ヨーロッパ連合は変化する世界において、これまで蓄積された最も重要な法・制度を守るとともに、世界的規模の移民や特に国際テロリズムをはじめ、いずれの加盟国も単独で効果的に対処できない新しい脅威など、ヨーロッパ人が今日直面している諸課題に集中しなければなりません。EUはヨーロッパの社会的市場経済を強化しながら、ヨーロッパ人が激化する国際競争に対応する力も強化しなければなりません。

 したがって我々は、具体的な目標に基づいて強化・深化された行動のための3つの本質的な最重要課題を提案します。

- 対外的・体内的安全保障:ヨーロッパは途方もない課題に直面しています。対外国境を保護するとともに、特に地中海、アフリカ、中東をはじめとする周辺地域の平和と安定に貢献するため、共通の手段を強化する必要があります。

 我々がヨーロッパでテロとの戦いに勝利するには、一致結束して行動するほかに道はありません。テロを克服するには、我々が社会的周縁化を防止して各都市に投資する共同体精神を立て直せることを示すほかに道はありません。

 我々が自らの責任を果たす能力があることを示すには、ヨーロッパ防衛を発展させ、我々の共同作戦、能力、軍事産業のために必要な取り組みを進めるほかに道はありません。真の共通外交・安全保障・防衛政策の潜在力はまだ十分に発揮されていません。

- 強い経済と強い社会的団結:ヨーロッパは市民のために繁栄の約束を果たさなければなりません。我々には特に若者を対象とした失業対策と雇用創出のための一層の経済成長と、世界的な競争において経済力を確保するための一層の投資が必要です。

 経済力と社会的保護を結びつけるヨーロッパの経済・社会モデルを成功させるには、適切な規制の枠組みを定める必要があります。起業および実社会への全員参加のための最良の政策に加え、鍵を握る役割を果たす研究、イノベーション、教育を強化する必要もあります。というのもヨーロッパの豊かさは何よりもまず、市民の知識と能力に基づいているからです。よりよいサービス、近代化産業、雇用のためにヨーロッパでデジタル経済を発展させることや、環境を保護するエネルギー・気候政策の潜在力を十分に引き出すことも必要です。

 ユーロを共有する国は、成長、競争力、雇用、収れんを強化するため、さらに社会保障・税分野も含めて、新しい段階が必要となります。

- 若者のための野心的なプログラム:ヨーロッパが成功するには、若者に希望を与えるほかに道はありません。我々は若者雇用イニシアティブや学生、研修生、若手社会人向けのエラスムス・プログラムのような、教育、起業、雇用へのアクセスのためのイニシアティブをヨーロッパ全域で強化しなければなりません。

 ヨーロッパ連合は我々の共通の価値観を体現しています。我々は平和と自由、民主主義と法の優位性、相互尊重と責任、寛容と参加、正義と連帯を守ります。今日こそ、これらの価値観をあらためて明確にすべきときです。

 我々は明日、各国首脳およびヨーロッパ諸機関に対し、イギリス国民投票によって示された課題に対処するとともに、EU域内のヨーロッパ市民の良い将来に資する具体的な解決策を展開するため、厳密な日程と一連の明確な約束に従ったプロセスを立ち上げるように提案します。

 27加盟国が直面する共通の課題と、決定を下すべき本質的な最重要課題をめぐる特別首脳会議が9月に開催されます。ヨーロッパで今後6カ月間に実行すべき、経済成長と安全保障のための具体的なプロジェクトについても合意しなければなりません。必要なイニシアティブを展開するために直ちに作業を開始しなければなりません。世界的著名人の貢献も、グローバルな状況下におけるヨーロッパの展望をめぐる議論を豊かにできるかもしれません。

 2016年10月と12月のヨーロッパ理事会は、こうした見地から進捗状況を評価し、必要な指令を出すべきです。

 2017年3月25日のローマ条約調印60周年記念日は、ヨーロッパの結束とヨーロッパ・プロジェクトへの共通の取り組みを再確認する重要な日となります。

最終更新日 06/07/2016

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