ヨーロッパ連合に関するイギリスの国民投票 [fr]

レ・ゼコー紙によるフランソワ・オランド大統領インタビュー抜粋(2016年6月30日)

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 ブレグジット(イギリスのEU離脱)の知らせのショックにどう反応されましたか?

 国民投票を始めたイギリス指導部も、特にブレグジットを呼びかけた人も予想だにしていなかっただけに、余計に強いショックでした。歴史の教訓も省みず、最後はすべて丸く収まるだろう、理性とヨーロッパ精神がナショナリズムや過激主義に打ち勝つだろうと考える一種の無邪気さが常にあります。ヨーロッパ連合は不可逆的なプロセスではなく、イギリスの投票は本質に立ち返らせるものです。どのようなヨーロッパを望んでいるのか?そしてだれと?だれもが投票以来、その不備にかかわらず、どれほどヨーロッパのことを大切に思っているか、それと同時にどれほど離脱がつらいことかについて考えています。離脱の第一犠牲者はヨーロッパではなく、イギリスです。あまりに多くの場合、分からないとき、もう分からなくなったとき、ヨーロッパを好きになります。ヨーロッパが体現しているものを守る必要があります。それは平和、連帯、未来の地域です。ヨーロッパ連合が諸国民を守るという条件付きです。奮起が必要です。事なかれ主義は早晩、崩壊に至ります。

 イギリスは本当にEUを離脱するのでしょうか?

 はい。それがイギリスの決定です。決定は実行されなければなりません。時間の猶予はありません。ヨーロッパ理事会が昨日、27カ国の結束の下で明確に表明したことです。イギリス国民とヨーロッパに対する尊重が脱退の実行を正当化します。そのほかの反応を見れば、国民投票が不都合な結果となるたびに、大急ぎで再度の国民投票を実施する必要があると思うかもしれません。ヨーロッパは最重要課題によりよく集中するため、安定と安全を必要としています。イギリスとの交渉は、基本条約50条で規定された脱退の枠内に限られます。財、サービス、資本、人の移動の自由が保証されなければ、イギリスの単一市場へのアクセスはありません。この点について妥協はできません。フランスに関しては、友好国であり大国であるイギリスとの緊密な関係を保ち続けます。我々は防衛とテロ対策に関する協力や、不正移民を制御するための行動も維持します。

 イギリス政府はEU離脱申請に関する50条の発動を9月初めまで先送りしますが…。

 私は即時の方がよいと思いましたが、この日程が周知され、交渉の余地もない以上、私はこれを受け入れました。

 ブレグジットは国民の勝利でしょうか、うその勝利でしょうか?

 うそがイギリス国民を惑わしたかもしれません。国民に道を誤らせた指導者たちに対し、しかるべき時にそこから結論を引き出す権限はイギリス国民にあります。しかしイギリス国民の選択は撤回できません。民主主義はポーカーの試合ではありません。プレーヤーがテーブルを囲んでいないパートナーを巻き込んでいるだけになおさらです。

 EUを弱体化させるおそれがあるヨーロッパ懐疑主義の動きを阻止するには?

 このポピュリズムの高まりは10年前からヨーロッパで拡大を続けています。ヨーロッパはこの現実を直視しなければなりません。私はヨーロッパ理事会で、ヨーロッパが安全保障、対外国境管理、テロ対策、ヨーロッパ大陸の防衛に専念するよう要求しました。というのも、市民は何よりもまず守られることを望んでいるからです。我々は経済成長、投資、雇用を中心とした力強いヨーロッパも築かなければなりません。雇用の受益者は何よりもまず若者でなければなりません。ユーロ圏については、とりわけドイツとともに、社会保障および租税の調和化に着手したいと考えています。諸条約を覆す必要はないにせよ、ヨーロッパの機能は変革すべきです。これはヨーロッパが将来に対する信頼を回復し、新たな希望を生み出すための条件です。

 ドイツは同じ野心も同じテンポも念頭にないような印象を受けますが…。

 アンゲラ・メルケル首相は新たな推進力が必要であることを認識しています。首相は仏独カップルを極めて重視しています。過去数年間にわたり、銀行危機の解決をはじめ、ギリシャ、ウクライナ、難民などの問題をめぐって真価を発揮しました。我々はイニシアティブを取るのに来年の選挙まで待つことはありません。フランスでは来年5月に、ドイツでは9月に選挙が実施されますが、これらは逆にヨーロッパで望ましいと思われる改革案を示して、国民の審判を仰ぐ機会となります。

 フランスは改革を推進するための影響力がありますか?アラン・ジュペ氏は「フランソワ・オランドのフランスはだれにとっても参考にならない」と言っていますが…。

 幸いにもフランスは2012年、ヨーロッパが緊縮財政を一段と強化するのを避けるために政治的影響力を発揮しました。この緊縮財政はとりわけフランス政府が主導してその2年前に導入したもので、当時アラン・ジュペ氏は重要閣僚でした。幸いにもフランスはドイツの沈黙にもかかわらず、銀行同盟を認めさせることも、中央銀行のイニシアティブにより協調的な通貨政策を推進することもできました。幸いにもフランスはギリシャをユーロ圏にとどめるために影響力を最大限に発揮することができました。右派の一部は私にここで、ギリシャを排除するよう要求しました。幸いにもフランスは11月のテロ攻撃後、ヨーロッパの連帯を得るのに加えて、アフリカへの我が国の介入にEU加盟国の支持を獲得するのにも十分な説得力を発揮できました。幸いにも私はメルケル首相とともに、数カ月間にわたり一時停止されたシェンゲン協定を回復することができました。トルコとの協定も挙げます。同国とは2007年から2012年にかけて11項目で交渉が開始されましたが、成果はありませんでした。

 ユーロ圏について正確に何を提案されますか?

 何よりもまず法人税をはじめとする競争のゆがみに決着をつけることです。次に戦略的分野(デジタル、エネルギー移行など)に投資するための資金としてユーロ圏予算を創設することです。さらにユーロ圏議会の監督下で経済ガバナンスを規定することです。

 ユーロ圏予算は、本当に現実的ですか?

 ユーロ圏は規則と規律の追加であってはならず、将来の準備のために共通政策を掲げなければなりません。新税を導入するのではありません。税源移譲は可能です。我々の防衛努力と必要不可欠な財政規律の順守を関連づけることもできるはずです。

 どのような日程で?

 27カ国は水曜日、イギリス離脱の準備に向けたルールを決定しました。50条の名で知られる手続きである正式な離脱申請が通知されない限り、交渉も非公式な議論も一切行われません。次にヨーロッパの将来について前進するため、特別首脳会議が9月にブラチスラヴァで開催されます。安全保障、経済成長、若者に関する具体的な決定も下されます。迅速に進めたいと思います。待つことは放棄することです。来年3月のローマ条約締結60周年は、この新しい推進力を中心にヨーロッパ市民の結束を示す機会となります。ヨーロッパ連合の最重要課題をめぐる民主的な議論を求めることは必要だと思います。しかしうわべだけの議論は除外します。2017年までに新条約を提案するというのは幻想であり、袋小路に入ります。

 移民労働者について、何を変える必要がありますか?

 一体だれがこの指令について交渉したのでしょうか?リベラル派、なかでもイギリス人です!だれが東ヨーロッパから来る安価な労働力を求めたのでしょうか?ヨーロッパ右派、なかでもイギリス保守派です。彼らは今日、その代償を払っています。フランスは人の自由な移動を見直すよう求めているのではなく、「出向労働」に厳格な枠をはめ、不誠実な雇用者に制裁を科すことで悪用行為を排除することを要求しています。これが困難な議論であるのは、東欧諸国が反対しているからです。我々は成し遂げなければなりません。さもなければ出向労働をめぐる逸脱行為が、ヨーロッパを徐々にむしばむからです。

 ヨーロッパに関する国民投票を要求する人たちに、どう答えますか?

 ヨーロッパ連合を離脱するためだけに、このような騒ぎを起こして、このような対決を行って何になるのでしょうか?イギリス国民投票の選挙戦中に明らかになったうそ、単純化、誇張、さらには暴力でさえも、これらの魔法使いの弟子(手に負えない事態を招く人)には十分ではないのでしょうか?もちろん国民を信用しないというのではありません。しかしヨーロッパに関する民主的な選挙は、フランスでは次期大統領選挙で行われます。これまでユーロ廃止を訴えていた国民戦線は今では、我々の国が今日のイギリスのようにヨーロッパ連合を離脱するために運動すると発表しています。2017年、この議論を受けて立つべきです。イギリスの経験は手本というよりも、むしろ反面教師としての価値があるでしょう。

 どのようなヨーロッパの防衛を望んでいますか?

 ヨーロッパの防衛は北大西洋条約機構(NATO)に託されています。フランスは自己決定権の保持に常に留意してきました。一つの大陸が尊重されるには、経済的にも政治的にも強くなければなりません。すなわち自らの身を守り、自らを防衛し、自ら展開する能力のことです。ヨーロッパではフランスを除いて、防衛の努力が不十分です。この状況をこれ以上容認することはできません。各国がヨーロッパの安全保障により一層貢献すべきです。ドイツはこの問題について進展を図っています。私はヨーロッパ防衛基金の設立に向けたティエリー・ブルトン氏の提案を興味深く検討しています。国境の安全に関連した支出も含めて、投資を共同負担するという考えです。

 かつてデーヴィッド・キャメロンがしたように、イギリス人投資家をレッドカーペットを広げて歓迎しますか?

 私にはそのような呼びかけを行う厚かましさはありません。「レッドカーペットを広げる」などという言葉を口にしないように気をつけます。このような表現には注意した方がいいでしょう。言った本人に跳ね返ってくるかもしれませんから・・・。とはいえ、フランスはすべての有能な人材や投資家を受け入れられる状態になければなりません。

 パリの金融センターはシティーが、ロンドンに拠点を置く銀行がユーロ圏のすべての市場で事業を行うことができるEUパスポートを失うとみています・・・。

 その点について交渉の余地はありません。イギリスはEU域外の国になるので、EU金融パスポートは消失しますし、それと同時に貿易パスポートも、より端的に言えばヨーロッパのパスポートも終わりを迎えます。もう一つの鍵となる点は、ロンドンでユーロによる決算業務が行えなくなることです。イギリスは長年、ユーロ圏に入っていないにもかかわらず、特例を享受してきました。これも不可能になります。従ってフランスの銀行が態勢を整え、準備を進めるのは理にかなった当然の成り行きです。我々はパリの金融センターをより魅力的にするために、金融ルールも含めて、我々のルールを適合させなければなりません。

 金融取引税の導入を望むのは矛盾していませんか?

 我々は強化された協力の一環として、ドイツを含めた数カ国と金融取引税(FTT)導入案を検討しています。この課税を導入すれば、ロンドンの魅力向上に資するという声が一部にありましたが、この論拠はもはや成り立ちません。

 ブレグジットはフランスの景気回復を妨げませんか?

 何よりもまず、フランスでは景気回復が見られ、失業率も低下に転じています。これは議論の余地のない事実です。今年の経済成長率は1.6%を超える見通しで、これによって少なくとも20万人の雇用が創出できます。ブレグジットはとりわけイギリスに不利な影響を与え、同国で起こり得る景気後退を介して、ユーロ圏やフランスでもリスクが生じる可能性があります。我々は民間投資や公共投資に対する、よりしっかりとした支援によって、そしてヨーロッパの迅速で明確な対応によって、リスクを回避しなければなりません。ヨーロッパにおけるイギリスの地位に関する不確実な状況が短期間で収束すればするほど、ブレグジットが魅力に与える影響はより限定的になります。

「EU諸国民一人ひとりの将来にかかわる問題です」-マニュエル・ヴァルス首相の演説

マニュエル・ヴァルス首相が国民議会で演説(2016年6月28日)

 歴史的なショックです。ヨーロッパ建設が始まって以来初めて、一加盟国の国民がヨーロッパ連合を離脱することを決定しました。

 人は常に物事はすでに獲得されたもの、作り上げたものが壊れるはずはないと信じています。

 ヨーロッパ建設の不可逆性をめぐる話を一体どれほど耳にしたことでしょうか!

 そこでは歴史は念頭にありませんでした。歴史は好きなときに押しかけてきます。とりわけ諸国民がそれを決めるとき、諸国民が「あなた方に選択肢はない」、「代替案はない」と言うすべての人に、彼らのみが主権者であることを思い出させるときです。

 イギリス国民は意思を表明しました。この民主主義的な選択を尊重する必要があります。我々全員が認めなければなりません。

 それ以来、選択は単純な二者択一です。一つはいつものように明白な事実から目を背け、わずかな処置で割れ目をふさぐだけにとどめようとするか、もう一つはついに勇気を奮い起こし、物事の核心に迫って、このショックを電気ショックにするかです。

 というのも、この国民投票がイギリス人にしか関係がないと思うことは、歴史的な過ちになるからです。違います!EU諸国民一人ひとりの将来にかかわる問題です。それだからこそ、そして何よりもまず、フランス国民の将来の問題なのです。政府が国民議会議長の全面的同意を得て、皆さまの前で所信を表明することを願った理由もそこにあります。

 私は自分の祖先、自分の出身、自分の信念からヨーロッパを深く信じているので、この偉大な計画の流れが変わることを拒みます。増大するポピュリズムの重みに引きづられて、計画がとん挫したり、崩壊したりすることを拒みます。我々が運命論や悲観論に屈することを拒みます。我々が受け身になることを拒みます。

 そのためには、一人ひとりが自らの確信にあらためて問いかけ、自らを問い直さなければなりません。

ヨーロッパ理事会に到着時のフランソワ・オランド大統領と記者団の質疑応答(ブリュッセル、2016年6月28日)

大統領:イギリス国民は選択をしました。過半数がヨーロッパ連合(EU)から離脱したいという意思を表明しました。私はこの選択を遺憾に思うとはいえ、そこからあらゆる結論を引き出す必要があります。しかし選択は尊重したいと思います。それゆえに第1の結論は、イギリスのEU離脱の手続きと、それに続く交渉を可及的速やかに開始する必要があるということです。

 さて、そこに行き着くには、どのような手段を講じることができるでしょうか? 第1の手段は、これは確信ですが、どのような政府であれ、自国民の選択を尊重しないイギリス政府は想像できません。

 次に、ヨーロッパはイギリスがヨーロッパ連合を離脱するための通知を今すぐに、できるだけ早く提出する必要があることを伝えました。物事を冷静に進められるようにするためで、それがおそらくイギリスの利益にもなり、とりわけヨーロッパの利益になります。

 続いて、我々はヨーロッパ人として、いくつかの結論を引き出さなければなりません。我々の境界線を守るため、より一層投資するため、若者に目を向けるため、さらにユーロ圏をより民主的はやり方で、また租税・社会保障政策を調和化できるようなやり方で組織するために、新しい推進力が必要です。

 以上、私がヨーロッパ理事会で主張すること、フランスの立場です。この立場はEUレベルでも取り入れられるものと確信しています。我々は昨日、メルケル首相、イタリアのレンツィ首相と議論を始めました。私は時間の猶予がないという考えを信じて疑いません。

 とういのも今日、全世界が我々を注視しているからです。皆さんも大勢ここに、ヨーロッパ人記者だけでなく、世界中の報道機関から取材に来ています。全世界がヨーロッパに目を向けている中で、ヨーロッパは責任を持って行動しなければなりません。ヨーロッパは行動する力、自らの利益のために行動する力が十分にあります。

記者:歴史的な一日でしょうか?

大統領:歴史的な一日です、というのも我々はここで一つの国、すなわちイギリスのEU離脱決定を承認しなければならないからです。つらいことであることは分かっています。とりわけイギリスにとって、イギリスのEU離脱に賛成票を投じた有権者にとってさえも、これはつらいことです。とはいえ、国民が投票するとき、どこであっても、民主主義においては、選択を尊重し、普通選挙を尊重する必要があります。

 歴史的な一日であると同時に、ヨーロッパにとって連綿と続く歴史でもあります。ヨーロッパは歩を止めることはありません。イギリスにとって、ヨーロッパ連合との歴史は止まります。しかしヨーロッパにとっては、歴史は続きます。多くの人が自らに同じ問いかけをしています。この選択を迫られたら、どうするだろうか? 今日のイギリスの情勢を見ながら、とりわけ離脱に向けて始まる議論と交渉を通して、事態が解決に至ることを願うとはいえ、それでもヨーロッパは、うまく統率できれば、うまく指揮できれば、ヨーロッパを構成する各国民のためにチャンスが一つ増えると思うでしょう。

「不確実な世界における強いヨーロッパ」、ジャン=マルク・エロー外務・国際開発大臣とドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイアー外務大臣の論考

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 イギリス国民の決定はヨーロッパの歴史に一転機を画します。

 ヨーロッパ連合(EU)は一つの加盟国だけでなく、過去数十年にわたり共に歩んだ歴史、伝統、経験の一部も失います。フランスとドイツはこの決定を遺憾ながら事実として認めます。この新しい情勢はイギリスにも、EUにも結果をもたらします。リスボン条約は一加盟国の秩序立った離脱を確実に遂行する手続きを規定しています(50条)。イギリス政府がこれらの手続きに入れば、我々は将来のEUとイギリスの関係の明確化に向けた交渉において、EU諸機関を補佐する用意があります。

 イギリスは例外的な事例です。しかしながら、共通のプロジェクトへの支持が過去十年間に、我々の社会の一部において弱まったことも認める必要があります。単により一層のヨーロッパを訴える呼びかけや、熟考を重ねる段階だけにとどめることはできません。我々はヨーロッパ・プロジェクトに忍び寄る衰退を回避するため、本質的な課題や市民の具体的な期待に応える取り組みへと軌道を修正しなければなりません。我々は市民がEUの存在を再び問題視するつもりはなく、むしろその機能のあり方に不満を表明しているのだと確信しています。我々には二重の任務があります。ヨーロッパレベルでのみ対処可能な課題に共通の努力を集中させ、約束を果たすと同時に、ほかの課題については国や地方に任せるということです。

 フランスとドイツは、ヨーロッパ連合がヨーロッパの自由、繁栄、安全を保障し、EU諸国民間の平和的で互恵的な関係を定め、世界の平和と安定に貢献するために不可欠な唯一無二の枠組みであると断固として確信しています。我々両国は、両国民間の常により緊密なつながりの基礎を成す同じ将来像と共通の価値観を共有しています。それゆえに我々はヨーロッパの政治同盟に向けて前進を続けるとともに、ほかのヨーロッパ人もこの努力において我々と力を合わせるよう促します。

「具体的な目標に基づいて強化・深化された行動のための3つの本質的な最重要課題を提案します」-仏独伊首脳共同声明(ベルリン、2016年6月27日)

 イギリス国民の過半数が2016年6月23日、ヨーロッパ連合を離脱する意思を表明しました。

 フランス、ドイツ、イタリアはこの決定を尊重します。我々はイギリスがヨーロッパ連合における我々のパートナーでなくなることを遺憾に思います。

 我々はヨーロッパ連合が今日、適切な答えをもたらす十分な力があることを全面的に信頼します。時間の猶予はありません。我々は今日、ヨーロッパの結束のために断固とした決意を表明します。我々は経済的・社会的進歩を保証し、世界におけるヨーロッパの役割を明確にすべく、我々の共通機関とともに手を携えて行動しながら、我々の諸国をより強くするために、ヨーロッパ連合が極めて重要であることを断固として確信します。

 ヨーロッパ連合(EU)は約60年来、権利、自由、共通価値観の唯一無二の共同体です。我々はEUによって、経済的成功と社会的保護を結びつけるヨーロッパの社会モデルを守ることができます。我々はEUによって、文化多様性を守ることができます。単一市場、共通政策、ユーロは世界でも並ぶものはありません。これらの成果は我々の繁栄の基礎です。我々は手を携えて我々の利益と世界における自由で公正な貿易を守ります。我々は手を携えてエネルギー政策で前進し、世界レベルで気候保護に貢献します。我々は手を携えて世界の安定と発展に貢献し、自由を促進します。

 我々はヨーロッパ連合が市民の支持に支え続けられなければ、新たに積極的に行動することはできないことも、同じように断固として確信します。そのために、ヨーロッパ連合は目標と機能を明確にしながら、諸国民によって表明された懸念に応えなければなりません。EUはヨーロッパ人が力を結集すべき場合は、本質的な最重要課題についてより存在感を強める一方、加盟国が行動する方が有利な場合は、より存在感を弱めなければなりません。EUは市民の民主的監督下に引き続き置かれ、わかりやすさを一層高めなければなりません。とりわけ市民に直接的利益をもたらすプログラムやプロジェクトを実行するためには、より迅速に行動しなければなりません。

仏独伊首脳共同記者会見におけるフランソワ・オランド大統領の発言(ベルリン、2016年6月27日)

 皆さん、何よりもまずアンゲラ・メルケル首相に、本日の歓迎に対して感謝を申し上げたいと思います。

 我々はヴェルダンの極めて感動的な式典の際に、アンゲラと私で、ヨーロッパ理事会の前に再び会談することで一致していました。我々はこの準備作業、この会合にはマッテオ・レンツィ首相の参加も必要であると思いました。というのも、我々はヨーロッパ連合の3大国だからです。

 もちろんイギリスもですが、イギリスは決定を下しました。国民投票はすでにずっと以前から発表されていました。ヨーロッパ連合は-我々は手を携えて取り組みました-イギリス国民が自身に問われた質問に肯定的に答えられるように、適切な対策を見いだすよう努力しました。我々は結果を得ました。離脱派が勝利しました。我々はこの選択を極めて遺憾に思います。たとえ52%が離脱に賛成したにせよ、すなわち特に多くの若者をはじめとする48%が残留を望んだことになります。

 我々が遺憾に思うのも、イギリスが地理的にも歴史的にもヨーロッパにある友好国、同盟国だからです。とはいえ、我々はこの決定を尊重しなければなりません。それが意思を表明した国民に対する我々の義務であり、実施された国民投票に対する義務であり、極めて長期にわたった上、ヨーロッパレベルの会合でも多くの時間が費やされた議論に対する義務です。

 しかし我々は今、悲しみを表明すると同時に責任感を発揮しなければなりません。責任とは、時間を無駄にしないことです。イギリス離脱問題に適切に対処するために時間を無駄にしないこと、27カ国による新しいヨーロッパ連合に与えるべき新たな推進力の問題に取り組むために時間を無駄にしないことです。

 なぜ時間を無駄にできないのでしょうか?それは不確実性ほど最悪なものはないからです。

 不確実性はしばしば非理性的な政治行動から生まれます。不確実性は非理性的になり得る金融行動からも生まれます。イギリスがすでに経験していることで、政治面でも金融面でもつらく苦しい経験です。しかしヨーロッパに影響があってはなりません。ヨーロッパは安定し、ヨーロッパは強く、たとえ修正が行われ、最重要課題が再確認されるべきであるにせよ、ヨーロッパは続行されるべきプロジェクトだからです。

 それゆえに、アンゲラが述べたとおり、イギリスによる通知が可及的速やかに行われるように、この通知に先立って事前交渉がないように、ひとたび通知がなされ、EU諸機関に伝達されれば、第50条に則ってこの交渉段階に入るようにするために、時間を無駄にはできません。この手続きを踏むこと、通知が可及的速やかになされることが、ヨーロッパ全体にとってより望ましいことです。

「イギリス国民の決定は、ヨーロッパの歴史の転換点です」-フランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、ルクセンブルク、オランダ6カ国外務大臣共同声明

フランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、ルクセンブルク、オランダのEU原加盟6カ国の外務大臣が共同声明を発表(2016年6月25日)

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 イギリス国民のこの決定は、ヨーロッパの歴史の転換点です。

 ヨーロッパ連合は一つの加盟国のみならず、歴史、伝統、経験の大きな全体を失います。

 この出来事は新しい情勢を生んでいます。イギリス国民の決定によって、2月18日と19日のヨーロッパ理事会で達した合意は存在しなくなります。我々は現在イギリス政府に対し、この決定に可及的速やかに効力を持たせ、明確性を示すことを期待しています。リスボン条約の関連措置(ヨーロッパ連合に関する条約第50条)が適切な段階を踏んだ離脱を可能にします。我々はヨーロッパ連合とイギリスとの間に来るべき関係の規定および明確化に向けた交渉が開始された時点で、諸機関と作業を進める用意があります。

「我々は安全保障、防衛、投資活性化、市民権の各問題に関する提案を伝えました」-ル・パリジャン紙によるジャン=マルク・エロー外務・国際開発大臣インタビュー

ル・パリジャン紙によるジャン=マルク・エロー外務・国際開発大臣インタビュー(2016年6月25日)

記者:今回のブレグジットはヨーロッパにとどめを刺す一撃となるのでしょうか?

大臣:もちろん違います。イギリス国民の決定に落胆したままでいてはいけません。とはいえ、これはショックです。何よりもまずイギリスにとって、そしてヨーロッパにとってもです。イギリスにとって、1つのページがめくられます。ヨーロッパ連合(EU)の創設以来、EU加盟国が離脱を決定したのは初めてのことです。重大な決定ですが、混とんとした状態ではありません。我々はこのような状況を想定した条約とともに制度的枠組みの中にいます。平静を保とうではありませんか。EUと域外国となるイギリスの新しい関係を構築する必要があります。そのことがEUの前進や改革を妨げるものではありません。

「フランスはヨーロッパが本質に集中するよう主導します」、フランソワ・オランド大統領の声明

フランソワ・オランド大統領がイギリス国民投票を受けて声明を発表(2016年6月24日)

 「イギリス国民は国民投票によってヨーロッパ連合を離脱することを決めました。苦渋の選択であり、イギリスとヨーロッパにとって極めて遺憾であると思います。しかしこれは彼らの選択ですから、我々はこの選択を尊重し、そこからすべての結果を引き出さなければなりません。

 イギリスはもはやヨーロッパ連合に属さなくなり、諸条約で規定された手続きが迅速に適用されることになります。これがルールであり、結果です。

 フランスは自国のためにも、イギリスのためにも、この友好国と手を携えて今後も取り組んでいきます。歴史と地理が経済、人、文化の各分野で培ってきた極めて多くのつながりによって、私たちをこの国と結びつけています。防衛分野における緊密な関係も忘れてはいません。これも堅持されます。

 イギリス国民の投票によってヨーロッパは重大な試練に立たされています。ヨーロッパは現下の状況において、イギリス離脱の経済・金融リスクを抑えるために必要な対応をとりながら、連帯と力を示さなければなりません。措置はすでに講じられ、その有効性には自信があります。

 しかしイギリスの決定は、ヨーロッパの機能不全とヨーロッパのプロジェクトに対する各国民の信頼喪失をはっきりと認識することを求めています。

 過激主義とポピュリズムに直面し、危険は計り知れません。常に作るよりも解体する方が、築くよりも壊す方が時間がかかりません。フランスはヨーロッパの創設国であり、そのような事態を受け入れることはありません。

 奮起する必要があります。ヨーロッパが積極的に行動するには、もはや従来のようなやり方では済まなくなりました。各国民はヨーロッパ連合に、その価値観を再確認することを期待しています。自由、寛容、平和という価値観です。ヨーロッパは自らの将来を最終決定し、そのモデルを主張する力でなければなりません。

 それゆえにフランスは、ヨーロッパが本質に集中するよう主導します。

  • 我々の国境を守り、脅威に対して平和を守るための、我々の大陸の安全保障と防衛
  • 新技術・エネルギー移行分野で産業政策を実行するための、経済成長と雇用のための投資
  • 我々の経済にルールを与え、我々の市民に保証を与えるための、租税および社会保障の調和化
  • 最後に、ユーロ圏とその民主主義的ガバナンスの強化

 ヨーロッパは手続きに没頭するのではなく、プロジェクトを推進しなければならないと確信しています。ヨーロッパは市民から理解され、制御されなければなりません。ヨーロッパは迅速に決定し、それが待たれていることですが、国民国家にのみ属するものは国民国家にきっぱりと任せなければなりません。

 私は来週火曜日、この任務を携えてヨーロッパ理事会に出席します。それに先立って、我が国の主要な団体の政治的責任者と会談します。月曜日にはベルリンにも赴いて、メルケル首相、そしておそらくイタリアのレンツィ首相と、とりわけ今般の理事会に備えるためにすべきことを協議することができると思います。ドイツというのも、ヨーロッパ連合全体の団結が我々の結束にかかっているからです。ヨーロッパは大きな市場であるだけでなく、大きな理念でもあります。おそらくそれを忘れすぎたために、ヨーロッパは自らを見失ったのです。

 ヨーロッパは若者にとって希望であり続けなければなりません。若者の前途だからです。歴史が今日、我々のドアをノックしています。賭けられているのは、後退の危険を冒してヨーロッパを希釈するのか、抜本的な変化と引き換えにその存続をあらためて明確にするかです。

 私は後退ではなく抜本的な変化となるように全力を尽くします。フランスは特別な責任を担っています。フランスはヨーロッパの中心であり、フランスがヨーロッパを望んだのであるとともに、フランスがヨーロッパを築いたからです。フランスは他国を牽引し、我々の大陸の将来に対する責任を担える国だからです。

 これがフランス人、ヨーロッパ人としての私の確信であり、この極めて決定的な時期にある我が国を導く上での決意です。我々は歴史が今日、我々を判断することを知っています。歴史はここにいます。我々が経験している状況に対処するにふさわしくあろうではありませんか。

 ありがとうございました」

「立ち向かうこと、それがヨーロッパの結束を保つこと」、ジャン=マルク・エロー外務・国際開発大臣の声明

ジャン=マルク・エロー外務・国際開発大臣がルクセンブルクのEU非公式外務大臣会合に到着時に声明を発表(2016年6月24日)

 「私は今朝、同僚であるEU各国の外務大臣やヨーロッパ問題担当大臣とともに出席することを望みました。

 我々は残念に思いますが、これはイギリス国民の決定です。我々は尊重しなければなりません。我々はイギリスのために残念に思い、ヨーロッパのために残念に思います。

 とはいえ、立ち向かう必要があります。立ち向かうこと、それはヨーロッパの結束を保つことであり、ヨーロッパ諸国民の熱望にさらに一層注意深くありながら、優先事項を実行し続けることです。やるべき仕事が数多くあります。

 しかし今日の喫緊の課題は、イギリス国民投票の結果を尊重することです。そう申し上げるのも、一部に混とんとした状態だと考える人がいるからです。いいえ、これは混とんとした状態ではありません、というのも条約があるからです。EU条約第50条で離脱条件が規定されています。不確実性があってはなりません。イギリス政府はイギリス国民の正式決定を通知し、ヨーロッパならびにイギリスの団結と安定のため、この条文の履行を始動させる必要があります。事態は切迫しています。一刻の猶予もありません。不確実な状況の期間はすべて有害です。

 それゆえに我々は今日、これらの問題について話し合います。後ほど、皆さんのところに戻ってきます。

 ありがとうございました」

イギリス国民投票の結果に対するフランスの反応

マニュエル・ヴァルス首相のツイッター

 「50条が発動しない限り、交渉はありません」

フランソワ・オランド大統領のツイッター

 「フランスは他国を牽引し、我々の大陸の将来に対する責任を担える国です」

 「我々が後退ではなくむしろ抜本的な変化を選択するよう全力を尽くします」

 「イギリスの国民投票結果がヨーロッパ連合を難局に立たせています。ヨーロッパの不備を認識する必要があります」

 「フランスは今後もこの友好国と手を携えて取り組んでいきます、我々両国の緊密な関係は堅持されます」

 「イギリス人はヨーロッパ連合を離脱することを決めました。苦渋の選択ですが、私は尊重します」

ジャン=マルク・エロー外務・国際開発大臣のツイッター

 「イギリスにとって悲しいこと。ヨーロッパは続きますが、この結果に対応し、各国民の信頼を回復しなければなりません。それが急務です」

フランス大統領府のツイッター

 「フランソワ・オランド大統領は会合の後、会見します。会見はフランス大統領府ホームページで配信されます」

 「イギリスの国民投票を受けて、フランス共和国大統領主宰の『ヨーロッパ』関係閣僚会合
が6月24日(金)9時より、エリゼ宮(フランス大統領府)で開催されます」

アルレム・デジール・ヨーロッパ問題担当大臣のツイッター

 「イギリスにとって悲しいこと。ヨーロッパは落ち着きを取り戻し、前進しなければなりません。野心的なヨーロッパ・プロジェクトを市民とともに再建することが急務です」

最終更新日 25/08/2016

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