気候災害早期警戒システム「CREWSイニシアティブ」 [fr]

 気象データは貧困国や脆弱国では多くの場合、信頼性が低いか、まったく存在しません。

 CREWSは危険な水文気象・気候リスクに対する防災対策や情報提供を拡充するため、マルチハザードに対応した警戒システムの能力を大幅に増強することをめざすイニシアティブです。

 その目的は最後発国(LDC)や小島嶼開発途上国(SIDS)で、生命と財産および生活手段を保護することです。

気候変動に関連した極端な自然現象の増加

 1970年から2012年までの間で、干ばつ、洪水、嵐、熱帯低気圧、ゲリラ豪雨、極端な気温などによる死者数は200万人近く、経済損失は世界レベルで2万4,000億ドルに上りました。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書によると、気候リスクの頻度と規模は増加・拡大傾向にあり、とりわけ脆弱国において、人命や生活手段に対する脅威の増大を招いています。

 2015年3月に宮城県仙台市で開催された第3回国連防災世界会議で、国連は「2030 年までに、マルチハザードに対応した早期警戒システムと災害リスク情報・評価の入手可能性とアクセスを住民のために大幅に向上させる」ことを約束しました。

生命と財産を守るには不十分な脆弱国の早期警戒システム

 これらのシステムを導入できた国では、災害による死者数が激減しました。早期警戒システムの活用能力は今日、国や地方によって大きなばらつきがあります。最後発国や小島嶼諸開発途上国では、重大な警報を国や地方の関係当局および住民に伝達することが困難です。

 数多くの脆弱国は、気象予報サービスの強化と災害時の緊急対応や計画の改善を一体として推進する必要性を強調しています。これらの国の約束草案では、早期警戒システム(EWS)が優先課題の一つとして定義されています。

 アフリカ・中東地域では、47カ国のうち36カ国がEWSを優先課題として約束草案に盛り込んでいます。中南米・カリブ海地域では、21カ国のうち16カ国がEWSを優先課題としています。アジア太平洋地域では、いずれの国の約束草案でもEWSが優先課題として盛り込まれています。

各国と気象・防災の専門機関の連合

 CREWSは世界気象機関(WMO)、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)、世界銀行の3者の協力の成果です。

 世界気象機関は世界気象センターと地域気象センターを強化するとともに、始動した行動と各国のイニシアティブとの連携および一貫性確保を支援します。

 国連国際防災戦略事務局は政策一貫性と、国連行動計画や仙台防災枠組の目標との整合性を監視します。

 世界銀行は国レベルの大規模計画の策定と実行、世界気象センターおよび地域気象センターとともにこれらの計画の連携と統合を支援します。

 リマ・パリ行動アジェンダは、ペルー、フランスCOP両議長国、国連事務局、国連気候変動枠組条約事務局の共同イニシアティブです。2015年を通じて、さらにそれ以降も行動を強化することをめざします。

パートナーの取り組み

 CREWSは既存の2国間・多国間協力計画の資金不足を補うために1億ドルの動員を目標としています。世界銀行によって運営される信託基金が、実行組織・機関の発展と活動を支援します。

資金パートナー

 フランスは2016年から2017年までの間に1,000万ユーロを信託基金に拠出します。

 ドイツは2015年、CREWSを支援するため、最初の貢献として300万ユーロを拠出することを決めました。フランスとドイツはG7のパートナー諸国と協力して、CREWSと気候リスク保険イニシアティブとの一貫性の確保に取り組みます。このイニシアティブはG7エルマウ・サミットで採択され、気候リスクに対する保険へのアクセスを脆弱国で拡大することをめざします。

 ルクセンブルクは2016年、脆弱国における警戒システムの発展を支援するため、基金に100万ユーロを拠出します。

 オーストラリアは2016年から2020年までの間、CREWSイニシアティブに500万豪ドルを特別拠出するほか、主に太平洋地域における2国間支援のために1,900万豪ドルを動員します。

 カナダはCREWSイニシアティブの下で最も脆弱な自治体における早期警戒システムの改善を支援するため、世界気象機関を通して1,000万ドルを拠出します。

 オランダはCREWSの信託基金に300万ユーロを拠出します。

CREWSを支援する国

 日本はCREWSを強力に支援しています。アジア太平洋地域において、気象衛星の使用を含めて、警戒システムの発展とアップグレードに取り組み、2016年から2020年までの期間も続行します。同国は予算編成の時期なので、現時点で財政貢献を発表できませんが、数カ月内に発表がなされる見通しです。

 イギリスもCREWSイニシアティブのパートナーになります。このパートナーシップは既存の諸計画との協力や共同作業を通して速やかに開始されます。その中には2,400万ポンド規模のアフリカ気象情報データ計画や、その他の関連プロジェクトが含まれています。

最終更新日 09/12/2015

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